天意に従い、洪水を治める
災難が襲ってきたとき、人々は自然と神に助けを求める。ライフ・サイト・ニュース・ドット・コム(LifeSiteNews.com)の報道によると、ハリケーン「カトリーナ」の被害を受けた際、ルイジアナ州のキャスリーン・ブランコ州長は神の祝福や希望、安らぎ、健康に恵まれながら復興工事を始められるように、一日祈りを捧げようと州民に呼び掛けたという。
ニューオーリンズのオリバー・トーマス市議会議長が被災地を視察した際、神が我々を清めているのかも知れないと語った。
「カトリーナ」の最大の被害を被ったニューオーリンズは「罪業の城」と言われ、有名な観光地フレンチ・クウォーターでは、勤労感謝の日の週末になると、マルディグラ(謝肉祭が最高潮に達する最終日、四旬節の始まる前日)と同様、人々が狂ったように裸になり人前で性交をする光景が至る所で見られるほどだという。また、ニューオーリンズはあやしげなカルトが入り乱れている場所でも有名で、ハイチ(暴力と犯罪がはびこっている)で流行しているブードゥー教(voodoo)は、ここでも多く信仰されているという。
「アメリカン・スペクテイター(American Spectator)」の報道によると、ニューオーリンズは全米において殺人事件発生率の最も高い都市の一つで全米平均の10倍にもなり、2005年の8月中旬までに、192人が殺害された。
さらに、ニューヨーク・デイリー・ニュースは、ニューオーリンズ司法界の腐敗や浪費、怠慢、仕事に十分な努力を払っていないことについて報道した。
スピリッツ・デイリー・ドット・コムの創設者マイケル・ブラウン氏は、ハリケーン「カトリーナ」は確かにニューオーリンズをきれいに清めており、「カトリーナ」には「清浄」の意味が含まれていると示した。ブラウン氏は「ライフ・サイト・ニュース・ドット・コム」のインタビューで、これは偶然ではないとし、全ては神がコントロールしており、万事は因果関係があると話した。
ブラウン氏は2001年、ニューオーリンズにカルトと淫らな性交が氾濫しているのを目の当たりにして、悪霊を礼拝していると災難を招くと警告した。ブラウン氏は、ハリケーンという言葉はインディアンの言葉「悪霊」から来たものだと話し、災難を招いた者はそれらの悪霊であり、神ではないと語った。
ブラウン氏が国立ハリケーンセンターを訪問したとき、センター関係者はニューオーリンズほどびくびくさせられる都市はないと話した。ブラウン氏は、ハリケーンが襲って来れば、バーボーン街は浸水に見舞われ、建物の二階まで浸水すると話していた。
エレン・ルペル氏はワシントン・ポストの報道で、ほぼ全ての文化には洪水に関する神話が伝えられているとし、ギリシャ神話では、神は人類が犯した罪に対して懲罰するために海水を上昇させ、大きい波を起こさせた。大洪水によって生きているもの全てが水没した。また、ケニアの伝説によると、昔、海は小さな缶に入れられて、貧しい夫婦が管理していた。夫は息子の嫁に、缶の中に祖先の遺骨を納めているから、決して開けてはならないと言った。しかし、息子の嫁は誘惑に負け、缶を開けてしまった。結果は予想通り、洪水は全てを飲み込んだのだ。
しかし、洪水神話は全て同じではなく、ルペル氏は大禹が水を治める中国の伝説を引用した。舜帝は国の平安のために、グン大臣に洪水を治めさせた。しかし、傲慢な大臣は9年間も大自然に逆らって闘い続けた。彼は洪水を遮るために次から次へと堤防を建てたが、洪水を抑えることができず、全ての堤防が崩れた上、洪水の勢いがさらに増したという。舜帝は直ちにグン大臣を解任し、代わりに禹氏に水を治めることを命じた。人柄の謙虚な禹氏は問題を分析し、自然に逆らうことはできないという結論を出した。彼は洪水を引き、田んぼの灌漑に充てた。それによって、洪水を治め、人々を救った上、農家の収穫を豊かにした。禹氏は後に帝位についた。
ルペル氏は「我々はこれまで犯して来た罪を咎めず、技術と政府に頼って大自然に逆らい続けた。しかし、時には自然は知恵を高く持つ人間よりも勝る。ハリケーン『カトリーナ』がその典型的な例である」と話した。カトリーナがもたらした深刻な損失は、我々がこれまで施した用水路、堤防、ダムその他種々の建設は、自分自身により大きな災難を招いているのを我々に教えてくれていると分析した。
ルペル氏は、人類はハリケーンを制御することはできず、災難をさらに深刻化させることがあるとした。カトリーナは最後のハリケーンではなく、最も強いハリケーンでもない。次のハリケーンがデルタを襲ったときに、禹氏の水を治める方法を学び、自然に沿う方法で対処すべきだと話した。
(記者・李亜妮)