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善良も一種の薬

小さい頃の事だ。母と同年代で、周おばさんという隣人がいて、とても優しい人だった。当時、我の家は特殊な身分=「黒戸」(共産政権から批判対象に指定された階級身分)だったため、私たちは多くの人から見下されていた。しかし、周おばさんは違い、私たちを尊重してくれたし、度々当時では命のように大切だった糧票(食糧配給券)と油票(油配給券)を分けてくれた。これはとてもありがたいことで、私たちは心から感謝していた。

 ある日、周おばさんは突然重病に罹り、病院で診察してもらったところ、何と肝癌だった。医者はもう治療のしようがないと考え、彼女に家で死を待つように言った。当時、周おばさんを見舞いに来る人は絶えることなく、私も母と一緒に1キロの黒砂糖を持って見舞いに行った。周りの人は皆涙を浮かべて別れの準備をしていた。

 それから半月後、周おばさんは突然病床から降り、もらったものを全部皆に返しはじめた。各家に行くと、彼女は「私は間もなく死ぬのだから、こんな良いものを食べるのは無駄です。皆さんが食べたほうが良いでしょう」と話していた。彼女が我が家に黒砂糖を返しに来た時、2本の缶詰と一緒に持って来た。母は受け取ろうとせず、言い争いにまでなった。周おばさんが帰った後、母は涙を流しながら菩薩に拝んだ。「菩薩様、目を開けてください。周お姉さんは本当に良い人です。良い人をどうしてこんな災いに遭わせるのですか」

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