嫦娥が月に行った本当のわけ

中国古代から伝わる「嫦娥、月にのぼる」という物語をご存じだろうか?前漢の頃に編纂された『淮南子』(えなんじ)に記され、月見の由来であるともいわれている。仲の良い夫婦が引き裂かれる悲劇の物語だが、その裏には、天上での按配があったのである。

 太古の昔、中国の帝尭(ていぎょう)の時代、嫦娥(じょうが)と大羿(だいげい)の夫婦はとても善良で、いつも民のために働いていた。ある日、天に突然10個の太陽が現れ、大地は暑さで燃え上がりそうになり、人々は耕作をすることができなくなった。草木や農作物は燃え、河川も枯渇してしまった。民衆の生活は苦しく、山や川に棲む怪物や妖怪も次々と出てきて人々に危害を加えた。

 大羿は民衆が苦しんでいるのを目にし、胸を痛めた。このまま燃え続ければ、すべての人が餓死してしまう。彼は命がけで民衆を助けることにした。

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