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印与党メディア「WHOは台湾への不当な扱いを止めて」 神戸市議会も意見書提出

インドの与党BJPが運営するメディアはこのほど、中国共産党政権が中共ウイルス(新型コロナウイルス)の流行を隠蔽し、台湾の世界保健機関(WHO)加盟要請を報道しないように脅したとして、中国とWHOを批判した。また、台湾に対するWHOの不公平な対応をやめるよう主張した。

台湾中央社によると、インドのメディア・Zee News TVの国際ニュース番組「 World is One News(WION)」は3月31日、5分近くの解説番組のなかで、台湾のWHO加盟を脅す中国の行動を批判した。ウイルスの流行の抑制に成功した台湾だが、中国共産党の圧力でWHOに加盟していない。

番組は、世界の多くの国が台湾の伝染病コントロールを評価する一方、WHOは台湾の努力と成果を認めることを拒否していると伝えた。主な原因には、中国共産党政権が台湾を中国の一部であると主張し、資金力と影響力を駆使して台湾の国際機関への参加を絶えず妨害してきたと解説した。

中共ウイルスの世界的流行の危機にもかかわらず、台湾はWHOの緊急会議から排除され、世界保健総会(WHA)にも招かれず、世界の専門家からの重要な健康情報のブリーフィングも受けていない。

番組司会者は、台湾はウイルス肺炎の流行抑制に常に先手を打ってきたと伝えた。 台湾は昨年12月、すでにWHOにウイルス肺炎に関する注意喚起を初めて行い、ウイルスが人から人へ感染する可能性があると警告していた。 しかし、この警告は中国共産党に肩入れするWHOに無視されたと述べた。

また、中国共産党の圧力は、台湾の伝染病対策を報じる海外メディアにも及んだとした。

同番組によると、在インド中国大使館は3月30日の声明で、Zee News TVの台湾WHO加盟に関する報道を受けて、「台湾には加入の権利はない」と主張し、インドのメディアが「一つの中国理論を支持し、『台湾の独立勢力』に居場所を与えないように」と申し入れがあったという。

番組司会者は、「残念ながらインドは独立国だ」として、この要求に従う意向はないだろうと伝えた。「この危機的な時期、台湾を排除するという不公平な扱いをやめるべきだ」と付け加えた。

香港政府も4月2日、香港の公共放送RTHKが3月28日、ブルース・エイルワードWHO事務局長補に「台湾の加盟を検討するのか」と質問したことを問題視し、RTHKの責任を問うべきだと発言した。事務局長補は台湾加盟の質問に対して固い表情で押し黙り、その後取材を一方的に遮断した。

日本にも台湾のWHO加盟を支持する動き

兵庫県の神戸市会代表団は4月1日、議長公邸を訪れ、3月26日に同会で全会一致で可決した意見書「台湾の世界保健機関および国際民間航空機関へのオブザーバー参加を支持すること等を求める意見書」を大島理森衆議院議長、山東昭子参議院議長にそれぞれ手渡した。代表団は、意見書を内閣官房長官や国土交通相にも提出した。

台湾中央社4月3日付によると、安達和彦・神戸市会議長は、大島衆院議長が台湾の防疫対策を評価し、外務省や国土交通省など関係官庁に伝えることを約束したと語った。山東参院議長は、東日本大震災など日本の災害時に台湾から送られた支援に謝意を示し、全参院議員と意見書を共有すると述べた。

神戸市会の代表団は、山東昭子参議院議長を訪問した。代表団は、日本政府に対して、台湾が国連関連組織の会議に加わることを支持するよう求める意見書を提出した(上畠寛弘議員提供)

(翻訳編集・佐渡道世)

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