「共産党退陣!」とSNSで訴えた山東省の大学生 当局が拘束

「私も声を上げて、目の前の壁を倒すよう、みんなに呼びかけたい…」山東省に住む大学生の張文斌さんは、大紀元に対してこう述べた。中国共産党ウイルス(武漢肺炎)の流行は今もなお中国本土で継続している。共産党の嘘と責任を追及するため、体制退陣のために声を上げる人物が増えている。

張さんは最近、中国ソーシャルメディアの微博の友人間グループに「習近平退陣」「共産党退陣」という2つのメッセージを送った。すると、微信は、張さんのアカウントに永久停止の措置を取った。「関連する規則に違反し、悪意を持って噂を流布した」ことが理由だという。

張さんは大紀元の取材に対して、「私は何も悪いことをしていない。なぜ言わせてくれないのか」「言論の自由な場が欲しい!」と憤りを隠さなかった。

 

張さんは2016年、共産党のネット規制をかいくぐり、海外メディアの情報を初めて目にした。検索大手グーグル(Google)や動画共有サイト・ユーチューブ(YouTube)を見ているうちに、1989年6月に北京の天安門広場で、共産党体制が学生らを武力弾圧した事件を知った。

「(情報封鎖の)壁を乗り越えて見てみると、いろいろなことが起きていることを知った。国内のメディアと海外のメディアを比較した報道もあった。心が痛む。徐々に中国共産党の悪事に気付き始めた」と述べた。

64天安門事件、そして法輪功の迫害も知り、共産党が過去に多くの嘘をついたことを知った。 2019年5月に香港に行き、6月には香港の容疑者引き渡し条例への反対運動が勃発した。チベットや新疆での中国共産党の犯罪を知った。チベットにも行ったことがある。そこの住民は、共産党が宣伝するような悪人ではなく、純朴で優しい人だった。中国のメディアはクズだ」

共産党の性質に気づき、張さんは共産党組織からの離脱を宣言した。「私が最も許せないのは、中国共産党が『嘘』によってすべての人を盲目にして、高い壁のなかに人々を幽閉し続けてきたことだ」

張さんは、中国本土で有名な実業家で、歯に衣着せぬ物言いで人気の高い任志強氏の文章を読んで、感銘を受けたという。中共ウイルス感染症が広がるなか、任氏は共産党による情報隠蔽を批判する文章を発表してきた。しかし、3月12日、任氏は警察に連行され、以後行方不明になっている。中国共産党北京市規律検査委員会が任志強氏を提訴したとの情報もある。

任氏は、「この悪質な情報封鎖のシステムが変わらなければ、どんな大がかりな制度で疫病を解決しようとも、また災害が起こるだろう」と訴えていた。

失踪後、任氏による2012年北京大学での演説動画が再流行した。動画の中で、任氏は中国共産主義体制を「腐っている」と批判し、中国国民に「目の前の壁」を取り壊すよう呼びかけた。

張さんは、中国共産党はテロ組織と何の違いもないと考えている。「友人たちに、香港人が自由と民主主義を求め行動を起こしていることや、都市封鎖や情報封鎖で感染症が再び流行っていると話しても、『君は香港独立派だ』と言われ、信じてくれない」 

張さんは、人気歌手・李志の曲の歌詞にある「あなたが悪い人になる教育を受ければ、他人を見殺しにする、ただ飲み食いする獣に過ぎない」というセリフは、今日の状況を言い当てていると語った。

張さんは、微信は投稿を検閲する手段がますます強くなっていると感じているという。張さんは誰もブロックしていないが、友人は張さんのコメントを見ることができない。

そして、「習近平退陣」「共産党退陣」と書き込んだ日以降、微信から永久停止措置に遭った。ほか英字版微信WeChatや別のソーシャルメディアQQも使用できるが、投稿が他人から見られないようになっているという。

張さんは30日夜にソーシャルサイト、ツイッターで書き込みを行った後、連絡が取れなくなった。張さんの同日午後2時頃の書き込みによると、中国当局は、「騒乱挑発」により張さんを5日間拘留するという。

中国権利組織「公民力量」の創設者である楊建利氏は大紀元のインタビューで、この大学生の安否を非常に心配していると述べ、大勢の人々が勇敢な大学生に注目するよう呼びかけた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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