新型肺炎拡大リスク、世界で「非常に高い」に引き上げ=WHO
[ジュネーブ 28日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルス(COVID─19)の感染拡大リスクについて、世界全体の評価を「非常に高い」に引き上げた。危険性評価で最高水準となる。
WHOのテドロス事務局長は、新型ウイルスが流行するイタリアから他の14カ国に、イランからは11カ国に飛び火していることを指摘し、「これらの動向を注視しており、世界全体の感染および影響の危険性評価を『非常に高い』に引き上げた」と述べた。
同時に「大規模な市中感染は確認しておらず、それが事実であれば、新型ウイルスの封じ込めはなお可能だ」と強調した。
新型ウイルスの発生源とされる中国での新規感染者が過去24時間で329人増と、約1カ月ぶりの低い伸びになったことに言及しつつも、中国以外での感染国や世界の感染者が増え続けていることは「明白な懸念」と警鐘を鳴らした。
また、世界で20超のワクチンの開発が進められているほか、複数の治療の臨床試験が実施されているとし、数週間以内に最初の結果を入手できる見通しとした。
緊急事態プログラムの責任者マイク・ライアン氏は、新型ウイルスの感染および影響に関し「最高の警戒レベルにある」としつつも、恐怖心をあおることは意図していないと強調。「実態を把握し、政府レベルかつ社会全体での取り組みが必要と理解してもらいたい」と語った。
WHO専門家チームのイラン入り遅延については、航空便の確保が困難となっていることなどが理由とし、遅くても週明け3月2日までに実現する見通しとした。
また、WHOの疫学者はメキシコで初の感染が確認されたことを巡り、「新型ウイルスが気候によって異なる反応をすると考える根拠はない」と述べた。
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