2020年2月20日、中国の湖北省湖北省孝感市雲夢県の病院で、患者の胸部CT画像を見ている医師(STR/AFP via Getty Images)

武漢市、大型総合病院で医療関係者ら500人以上感染 公式統計含まれず=情報筋

大紀元が信頼できる筋から入手した情報によると、武漢市の大型総合病院・武漢大学人民医院では名前などで個人が特定できる医療関係者とその家族500人以上が中共ウイルス新型コロナウイルス)に感染したという。この人数は当局の公式統計に含まれていない。

それによると、医療関係者および家族を含むこれらの感染者は現在、同病院の外科と眼科の2つの診療棟の上層階に隔離され治療を受けている。しかし、免職など政治的リスクを避けるため、幹部らは公式統計に計上されていない。

さらに、病院は最も敏感な場所と見なされており、情報漏えいを防ぐため、病院は連絡事項などについてすべては口頭での伝達が求められたという。

院内感染が深刻 病院応援隊はクルーズ船に泊まる

感染拡大が続く中、院内には殺到した受診者があふれ、患者のベッドが廊下にまでぎっしり詰まっているため、病院の隅々までウイルスが充満している。また、病院の近くには20数棟の職員住宅があるため、感染が医療スタッフのみならず、その家族にも広がった。

現場の医療スタッフは、ほぼ毎日のように感染した同僚の死の知らせを受けている。しかし、すべての感染者が隔離されており、各部門にも全体的な統計がないため、具体的な死亡者数は明らかになっていない。

インターネットに流出した当局の資料によると、2月3日までに同院の医療関係者194人がすでに感染していたという。中国人ネットユーザーは、SNS上に中共肺炎(新型肺炎)に感染した武漢市などの医療従事者の人数について投稿した(曹山石氏のツイッターより)

同病院は総合病院としての機能が麻痺しており、中共肺炎の治療にあたっている心臓外科、循環器科と呼吸器科がすべての医療施設を占有しているため、他の部門は通常の診断と治療を停止している。

現在、医師と看護師の少なくとも1500人が医療現場の最前線で働いている。感染者続出のため、定年退職になった医師らも職場に呼び戻された。にもかかわらず、人手不足は解消されていない。 

四川大学華西医院や湖南省湘潭市病院など各地の医療チームが先月末から武漢に入った。宿泊施設の不足を解決するために、当局は民間から長江三峡クルーズ船7隻を徴集した。

医療や生活物資の供給、不満や不安が強まる

情報筋によると、中共肺炎患者の受け入れ指定病院として、武漢大学人民医院は、政府関係者をはじめ、専門家や有名人などの重要人物の治療を最優先に行うため、医療物資の供給が十分に確保されている。しかし、一般の市立病院では、マスクや防護服など防護装備は著しく不足しているという。

また、各地から集まった食料など生活支援物資の分配には、病院内で格差が存在している。ポストの高い順に優先順位をつけて支援物資を選べるため、最前線に立つ若手医師や看護師らは腐った野菜や果物しか手に入らない。

武漢市が封鎖されてから1カ月、市民は買い物等の外出を禁じられ、生活の質が日々悪化している。地域管理委員会(町役場)を通じて団体購入した野菜セットは値段が高いのに品質が劣悪で、市民は政府の対応に怒りをあらわにしている。 

(翻訳編集・王君宜)

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