中国大使館がチェコを恫喝「高官訪台すれば企業に報復」

流出した外交文書によると、中国政府は、チェコ上級議員が台湾を訪問すれば、在中チェコ企業に経済報復すると公然と脅迫していた。

ロイター通信は独自入手した、駐プラハ中国大使館からチェコ大統領府に送付された1月10日付の書簡内容を報じた。それによると、もし、チェコの上院議長ヤロスラフ・クベラ(Jaroslav Kubera)氏の2月予定の訪台が実現すれば、独フォルクスワーゲングループのシュコダ・オート、金融大手ホーム・クレジット・グループ、楽器大手ペトロフピアノなどのチェコ企業は、中国本土での商業活動に支障が出ると書かれていた。

「もしクベラ氏が訪台すれば、チェコ企業は代償を支払わなければならない」と記載されていた。クベラ氏は1月20日、心臓発作で急逝した。同氏はチェコ憲法上、ミロシュ・ゼマン(Milos Zeman)大統領に次ぐ、同国で2番目の政治高官だった。

チェコ上院議会は2月19日に議長選挙を行い、民主党のミロス・ビストシル(Milos Vystrcil)氏が当選した。国内の報道機関は、政府高官が訪台すれば、中国当局はチェコ企業に報復する可能性があると報道していた。そのため、次期議長が訪台計画を引き継ぐかどうか、注目されている。

中国大使館による恫喝的な文書について、ビストシル氏は、故人の遺品のなかで手紙の存在を知ったという。ビストシル次期上院議長は現地メディアの取材に対して、専門家と協議して検討後、台湾訪問を決定すると答えた。

2月17日付のチェコ放送局(Czech Radio)の世論調査によると、チェコ国民の3分の2が、台湾との関係の深化を望んでいる。

プラハのフジブ市長が2019年、北京との姉妹都市の解消を表明してから、中国とチェコの間は波風が起きている。いっぽう、2020年1月にはプラハ市と台北市は姉妹都市契約を結び、台湾関係の深化は深まっている。

台湾外交部欧江安報道官は19日の記者会見で、中国共産党がチェコに対して、「一つの中国」を強要し、略奪的な政治手段である一帯一路プロジェクトをチェコで推し進めようとしていると批判した。

欧氏は、台湾とチェコとの関係は緊密で友好的であり、台湾メーカーがチェコで投資を行い、かつチェコのハイテクおよび電子資本通信などの産業と緊密に協力し、現地で約2万3000人の雇用を創出したと述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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