武漢視察の香港専門家、感染規模は「SARSの10倍以上」現状に「無力感」
感染症の権威である香港大学教授・新発伝染性疾病国家重点実験室の管軼主任は23日、中国メディア「財新網」の取材で、新型肺炎の感染規模は「重症急性呼吸器症候群(SARS)の10倍以上だ」との見解を示した。同主任は1月21〜22日まで、武漢で現地調査を行った。
「今回の状況に恐怖を感じた」という。
これまで「鳥インフルエンザ、SARS、A型インフルエンザウイルスのH5N1亜型、豚コレラ」を経験した同氏は、今回の新型肺炎について、「強い無力感に襲われた」と述べた。「今回の感染規模は控えめの試算でもSARSの10倍以上だ」「現在、感染源は全面的に広まっている」
管軼氏は、武漢市民の防疫意識の低さを指摘した。
21日午後、武漢市内の市場を視察した同氏は、市場の悪劣な衛生状況に「非常に驚いた」と話し、市場で旧正月に使う食材を購入していた市民のうち、マスクを付けている人は「1割以下だ」という。
「空港でも、床が消毒されておらず、スタッフが手で体温計を持って乗客の体温を測っている。空港内に消毒液が設置されているところはわずかだ」
管氏は、武漢市で感染は「すでに抑えられない状況になった」と判断した。この状況に対して、「現地の感染防止対策は全く強化されていない」「22日までの状況を見ると、武漢は無防備のままだ」と指摘した。
同氏は、武漢市が23日未明に市を封鎖すると発表したことについて、「感染拡大防止の黄金期を失ったため、効果はもはや楽観視できない」との見解を示した。
管氏の研究チームが2002~03年にかけて発生したSARSの際、世界で初めてSARSの原因が新種のコロナウイルスだと特定した。また、チームはSARSの感染源は広東省の生鮮市場だと確定した。
(翻訳編集・張哲)
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