神韻日本公演

神韻福岡公演 演目一つ一つから人間のもっている魂を感じる

しなやかで力強い洗練された舞踊、鮮やかな色彩に目を奪われる美しい衣装、新しい響きなのにどこか懐かしさを感じさせる音楽。世界に中国伝統文化の精華を伝える神韻芸術団は、1月20日から4日間の福岡公演を大盛況のうちに終えた。

三田尻和夫さん(写真/盧勇)

「生ならではの表現に感動しました」という三田尻和夫さんは司法書士事務所を営んでいる。神韻の舞踊、バックの映像、音楽が三位一体となっている様子を「できあがった芸術」と表現した。

「演目一つ一つから人間のもっている魂を感じる」

長い歴史時代の中で積み上げられてきたものがある。神韻の舞台を見ると中国の文化、伝統が長い時間をかけて培われてきたということがわかるし、そういうものをニューヨークから世界に発信していこうというのは素晴らしいと語った。

日本は古来、中国の文化を取り入れてきた。漢字といった目に見えるものから「道徳」といった目に見えないものまで、そのエッセンスは日本の文化に溶け込んでいる。三田尻さんは「天と地上にいる人間とがつながっているという心。そういう心は日本も中国も同じようなものがあるのではないでしょうか」と語った。

杉本健一さん (写真/大江)

「ダンスのクオリティがすごいですね。身体能力がすばらしい。動きが全部そろっていた」山口県から来た杉本健一さんは、深川養鶏農業協同組合で管理職をしている。家族3人で来場した。

杉本さんは男性の舞踊は迫力があり、女性は美しいのが印象に残った。ダンサーたちの舞踊をひきたてる音楽も、西洋のものとは違って中国らしく、二胡、琵琶などアジア的な音色が素晴らしかったと語る。

奥さまのほうは、くすっと笑えるようなコミカルな演目もあり和まされ楽しめたと嬉しそうに話した。中国伝統文化を伝えようとする団員たちの一生懸命さが印象的だったと語った。

天賀隆義さん (写真/牛彬)

「舞踊と音楽で言葉が伝わらなくても楽しめた」という天賀隆義さんは、薬剤師をしている。中国語がわからないので少し心配だったがそれは杞憂だった。

公演中、声を発するのは司会者と歌手だけだった。そこには中国語も日本語もない。しかし中国古典舞踊と音楽がもつ奥深い内包は、言葉による台詞とは違った方法で観客の心にそのストーリーを深く伝える。

天賀さんは男性のダンサーの舞踊も素晴らしいが、空を舞うような女性ダンサーたちの舞踊に天国はこういうふうな世界かもしれない、と天国を垣間見た気がしたと感想を述べた。

奥さまは二胡の音色がもつ物悲しさと静けさがお気に入りだった。座席で聞いた二胡の生演奏に「音が身体に入ってきて癒やされる思いがした」と語った。

(文/大道修)