【紀元曙光】2020年1月24日
白い野百合の花が、一滴の涙をこぼして枯れた。中国貴州省の呉花燕さんという24歳の女子学生が1月13日、貧困による飢餓が招いた重病で亡くなった。救いの手が差し伸べられた時には、すでに遅かった。
▼女性の24歳という年齢であれば、美しく、活力にあふれ、これから希望をもって人生を歩んでいくはずだった。しかし、報道される花燕さんの姿は、あまりにも細く小さく、表情は枯れ草のように生気がない。
▼23歳のときの身長は135センチ、体重は21キロだったという。未発達の子どものような体だが、通常の子どもと違うのは、それが極度の栄養不良という恐るべき条件によって成長が止められてしまったことだ。
▼花燕さんを救うため、慈善団体らしき組織が寄付を募ったところ100万元(約1600万円)が集まった。しかし、そのうちの2万元しか病院に支払われず、さらにはその団体が手数料を取るなど、善意のお金の使途に疑惑がもたれている。詳細は、大紀元の報道に委ねる。
▼小欄が書き残しておきたいのは、呉花燕さんという、短いながらも懸命に生きた、清らかな花の本当の姿である。確かに動画に映る生前の彼女は、病に疲れ、成長が止まった体で、見ていて痛ましい。しかし一方で、あるいは自分の命が短いことを悟った上での姿なのか、全く動じず、凛とした落ち着きさえ感じさせるのである。
▼両親を早く亡くしている。月に4800円ほど支給される生活保護費は、障害をもつ弟の治療費に当てていたという。花燕さん、あなたは本当に心の美しい、優しいお姉さんだったのですね。
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