中国、体重21キロの女子大生が死去 弟の治療費のため「おかずは唐辛子だけ」

弟の治療費のため、極貧生活を強いられた中国の女子大学生、呉花燕ウー・ファイェン)さんは1月13日午後、死亡した。24歳の呉さんは体重わずか21キロだった。

中国メディアによると、呉さんは貴州省銅仁市の貧しい村の出身で、同省にある大学、「貴州盛華職業学院」に通う3年生だ。4歳の時に母親を、18歳の時に父親を亡くした後、祖母、そして叔父家族とともに生活していた。叔父から月300元(約4800円)の支援をもらっていたが、その大半を弟の治療費に充てていたという。呉さん自身が毎日使える生活費は2元(約32円)しかなかった。

呉さんは生前、メディアに対して、「高校の時が一番大変だった。あの時、一日の食事は蒸しパン1個だけだった。それから、味付け唐辛子が安いから、唐辛子をご飯にかけて食べ始めて、この食生活が5年間続いた」と話した。

昨年10月、呉さんは病院に運ばれた際、長年の栄養失調のために、心性浮腫と腎性浮腫が見つかった。この時、体重はわずか21キロで、身長135センチだった。眉毛や髪の毛の大半も抜け落ちていた。

当時、呉さんに関する報道には中国国内で大きな波紋が広がった。貴州省銅仁市政府は、呉さんに緊急救援を行うと発表した。

中国メディアは1月14日、呉さんは体重30キロにも達せず、手術を受けられなかったため、13日午後、病で死亡したと伝えた。

インターネット上では、貧しさゆえに若くてこの世を去った呉さんに同情の声が多く上がった。一部のネットユーザーは、汚職容疑で中国当局に拘束された同省の王暁光・前副省長に言及し、「貴州省の高官が茅台酒をトイレに流したのに対して、この子は弟のために唐辛子をかけたご飯を5年間も食べ続けたのだ!」「腐敗官僚には全く良心がない」と痛烈に批判した。

中国当局の1月12日の発表によると、王前副省長は汚職の発覚後、証拠隠滅を行い、収賄で受け取った茅台酒4000本余りの一部をトイレに流した。

日本のネット通販サイト、アマゾンでは「貴州茅台酒」1本(500ml)は約3万5000円で販売されている。

また、中国のインターネットでは、「国民総生産(GDP)成長率の高さを宣伝して、何の役に立つのか?」「外国人留学生向けの援助金の半分をなぜ呉さんに与えなかったのか?」「(中国当局は)海外であちこちにばら撒きをしているくせに」と怒りの声も相次いだ。

(翻訳編集・張哲)

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