お気に入りのお皿も一緒!里親に引き取られた犬のオリバー
イギリスの小説家チャールズ・ディケンズをご存知だろうか?
彼の小説の中に登場する貧しい少年、オリバー・ツイストがロンドンの劣悪な通りを歩くシーンがある。少年たちは毎日、貧しい家からお椀いっぱいのポリッジを与えられている。しかし、彼らの空腹は満たされることがない。オリバーはご主人様に向かって「どうか、もう少しください。お願いします」と懇願する。
この有名なシーンは、テネシー州メンフィスで発見された保護犬「オリバー」を連想させる。このオリバーは小説に出てくる主人公オリバーと同じくらい酷い環境に置かれていた。当時オリバーは、犬糸状虫という、主に動物に寄生する虫に感染した状態で発見されていたという。そしてなにより、物語に出てくるオリバーのように空腹に飢えていた。裏庭で発見されたオリバーはその後、公共の動物保護施設であるメンフィス・アニマル・サービスに引き取られたという。
保健所の職員であるケイティーさんによるとオリバーは、「私がおやつを見せる前に、それを感づいてじっと待っているんです。その姿がとても可愛くて」と人の心を掴むコツを押さえているそう。特におやつが貰えるとわかると、お茶目に芸を披露することもあるとか。また保健所でオリバー専用のお皿が与えられた時は、とっても喜んだそう。
今では、他の犬にお皿を取られないようにいつでも持ち運んでいるという。その様子を、保健所の職員がFacebookに投稿したところ、瞬く間にシェアされた。
しかし長い間、里親が見つからなかったオリバーは、当時安楽死を検討されていた。そんなオリバーに新しい家族を見つけるため、多くの人が立ち上がり、オリバーがお皿をくわえている写真と、小説のオリバー少年の言葉を引用して「どうか、もう少しください。お願いします」の一言を付け加えると、9000ものシェアを獲得したという。
そして幸運なことに、優しい貰い手が見つかったオリバーは今、元気に過ごしている。もちろんお気に入りのお皿も一緒だそうだ。
大紀元日本ウェブ編集部)