2kgもの埃だらけの毛に覆われた、この可哀相なペルシャ猫は、怠惰な飼い主のせいでたった一匹で地下で暮らすことを余儀なくされていた。幸いにも心優しい作業員に発見され、彼の運命は好転した。
2016年12月、シカゴに住む老人宅の地下で1人の作業員によってその猫は発見された。毛はボサボサでがれきに絡まっており、体中、土と埃にまみれていた。
猫の飼い主は年配の男性で、精神的な問題からペットの世話をすることができなかった。そのためこの作業員は、シカゴの動物保護団体「Anti-Cruelty Society」に連絡して、この猫を迎えに来てもらうことにした。
飼い主の男性もこれ以上自分で世話をすることはできないと気づいていたため、猫を引き渡すことを了承した。
この団体の教育部長のエリオット・セラーノは、テレビ局の取材に対して「2kg相当の毛玉を抱え、誰にも気にかけてもらえず、精神的にも身体的にも放置されたような状態でした」と語った。
セラーノによれば、その2kgもの毛玉はカーペットのようにして引きずられていたという。
スタッフたちは、骨張った猫の体からその毛玉をそり落とした。しばらくの間、重い毛玉の塊を引きずっていたため体はやせ細り足は震えていたものの、健康面に問題はなかった。彼らはこの猫をシンバッドと名付けた。
長期間、放置されていたにも関わらず、シンバッドはとても人懐っこくスタッフらを驚かせた。
セラーノは、「彼を家に連れて帰りリラックスしていると私の胸に横たわってきてゴロゴロと喉を鳴らしたんです。そのとき彼はここで暮らしたいのだと確信しました」と語った。
シンバッドは食欲を取り戻すとすぐに体力がついてきて、やがて家具に飛びつけるまでに回復した。重い泥だらけの毛皮がなくなって軽くなったに違いない。
現在彼には新しい飼い主ができた。ほかならぬセラーノである。
セラーノは新しくできた猫の友達を心から愛している。
シンバッドの物語を通して、セラーノは人々に「困っている人を無視しない」ことの大切さを訴えた。
彼は「高齢者の方々や彼らのペットを常に気にかけてあげてください。困っている人のために声をあげ、手を差し伸べてあげてほしいんです」と語った。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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