チェコ・プラハ市政府、北京市との姉妹都市関係を解消へ
チェコ共和国首都のプラハ市政府は7日、中国北京市との「姉妹都市」関係の解消を決定した。同市のズデニェク・フジブ(Zdenek Hrib)市長はこれまで、中国当局に対して、「姉妹都市協定」に記載されている「一つの中国」の内容を削除するよう求めてきた。中国側に拒否されたため、市政府が決断した。
地元メディア4日付によると、中国当局はプラハ市政府の要求に応じず、この問題を解決するためのすべての外交ルートを遮断した。
プラハ市議会は7日、姉妹都市関係解消に関する審議を近日中に開始すると示した。メディアによれば、与野党議員は市の決定を支持しているため、近く承認される見通しだ。
2016年、中国の習近平国家主席がチェコ共和国を訪問した際、両都市の姉妹関係が結ばれた。同協定の第3条に、プラハ市政府は「台湾は中国の不可分の一部」という中国側の主張を認めると記されている。
2018年11月、市長に就任したフジブ氏は、民主主義の台湾を支持し、中国共産党政権による人権侵害をたびたび非難してきた。今年1月以降、市長は中国当局に対して、台湾を国家として承認しない「一つの中国」に関する項目を削除するよう呼び掛けた。
中国当局は4月から、報復措置として、プラハ・フィルハーモニア(Prague Philharmonia)、プラジャーク弦楽四重奏団(Prazak Quartet)、プラハ放送交響楽団(Prague Radio Symphony Orchestra)、プラハ・グァルネリ・トリオ(Guarneri Trio Prague)の4つの楽団の中国巡回公演を相次いで取り消した。
チェコ政界と音楽界は中国当局の対応に強い不満を示した。同国のルボミール・ザオラーレク(Lubomir Zaoralek)文化大臣は9月、中国の張建敏・駐チェコ大使を呼び出し、強く抗議した。
(翻訳編集・張哲)