1954年、赤狩り(Red Scare)の必要性を訴えるマッカーシー米上院議員 (Photo by MPI/Getty Images)
掛谷英紀コラム

左翼のプロパガンダ戦略とは?

前回のコラム<日本人が知らない北米左翼の恐ろしさ>では、北米の左翼について解説したが、よりによって北米で極端な左傾化が起きているのはなぜか疑問を持った人も多いだろう。もともと、米国は共産主義を忌み嫌う国である。そのルーツは、初期の入植者の歴史にまで遡る。

1607年ジェームズタウン、1620年プリマスに最初の入植者が到着したとき、彼らはある試みを行った。穀物の共有倉庫を作り、そこから必要なものを取り収穫したものを戻すことにしたのである。土地も共有し共同で働いた。理想の社会主義共同体と同じである(当時はその名前では呼ばれていなかったが)。

それで何が起きたかは想像に難くないだろう。働いた人間も働かない人間も取り分が同じなら、誰も働かない。入植地の食料は尽き、多くの入植者は餓死した。彼らはコミューンを放棄して私的所有を認めた。すると、すぐに豊作に恵まれ、それが感謝祭の起源になっている。この失敗の教訓を通じて、人間は自らの経済的成果に責任をもつべきだという考えが米国で定着した。

▶ 続きを読む
関連記事
カナダ映画『超限戦』を10月、東京とさいたまで上映。パンデミック下で拘束されたウイルス学者を描き、科学と権力、情報統制をめぐる問いを投げかける
日本の柔道女子選手、前田凛は10月1日、女子70キロ級で金メダルを獲得した。準々決勝で中国の唐婧と対戦した際、相手に20秒以上にわたり腕をかまれ、この思わぬ出来事が日中で大きな話題となっている
木原稔官房長10月2日記者会見において、北海道共同募金会が運営する「赤い羽根共同募金」をめぐり、寄付金約2億5千万円の使途が不明となっている問題を取り上げ、「大変遺憾である」との認識を示した
食卓を支える農村が消える?2050年、全国の4分の1の集落が機能停止の危機に直面。食料・安全保障危機を未然に防ぐため、守るべき農地の「線引き」や広域連携、「農村の終活」という新たな選択肢に迫る
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る