Photo credit should read STR/AFP/Getty Images

『慈悲の心』が、債務の揉め事を解決

明朝の衡湘梅公梅国桢(1542年-1605年)は、県令をしていました。ある日、一人の宦官が、借金取り立ての手助けをして欲しいと頼みに来ました。

梅公は宦官と一緒に酒を飲み、その債務者を呼びました。梅公は酒を飲みながら、「なぜ借金を返さないのか?」と債務者を責めました。彼は、「貧しくてお金がありません」と答えました。

梅公はわざと声を上げて、「お前は高貴な人からお金を借り、貧乏であることを言い訳にして借金を返さないのか?今日必ず返済しなさい。もし少しでも遅れるようなことがあれば、お前に死んでもらおう」

負債者はどうしようもなくなり、泣きながら外に出ました。宦官はそれを見て、憐れみを浮かべた表情をしました。

梅公はそれを見て、すぐに債務者を呼び戻し、顔をしかめて言いました。「もともとあなたが貧しいことは知っている、しかし今はどうすることもできない。早く妻と子を売り、それでお金を返しなさい。私とて官僚として、あなたの家族を突然引き裂くわけにはいかぬ。1日時間をあげるから、妻と子の元に戻り、お別れを言うがよい。そのあとお前たち家族が会う事は二度とないであろう」

債務者はそれを聞き、悲しみに打ちひしがれて、泣かずにはいられませんでした。また、梅公も泣くのを我慢できませんでした。宦官もたまらず涙を流しました。宦官はそれ以上借金を取り立てることをできず、ついに債権を破棄しました。

梅公は宦官を傷つけることなく彼の心変わりを促し、同情心を掻き立て、自ら債権を放棄させました。梅公は官僚としての評価を高め、その後、兵部右侍郎となり、名声を轟かせました。

この二つの物語の主人公は、他人の気持ちと立場を思いやることができ、慈悲の心を持って揉め事を解決しました。他人の心を思いやる気持ちのある人は、他人にも尊重され、天からの保護も受けるでしょう。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。