駐独中国大使・呉ケン氏(KAY NIETFELD/AFP/Getty Images)

独セミナーの最中、中国大使は突如離席 出席者の中国批判で

ドイツ南部バイエルン州で7月25日、世界のデジタル化とグローバリゼーションに関する経済セミナーが開かれた。登壇者が、中国がデジタル化の広がる世界の覇権を握ることの脅威について語ったところ、出席していた駐独中国大使と一団は突然、予定を繰り上げて離席した。

ドイツ商工会議所(IHK Schwaben)が主催するセミナーには、中国の通信機器大手華為技術(ファーウェイ)ドイツ支社幹部ウォルター・ハース(Walter Haas)氏、ドイツのソフトウェアメーカーXITASO社長ウルリッチ・ヒューゲンバーガー(Ulrich Huggenberger)氏、ドイツ最有力紙・南ドイツ新聞の上級記者で、北京に駐在経験のあるカイ・ストリットマター(Kai Strittmatter)氏が招かれた。

ドイチェベレ7月26日付によると、「デジタル化はグローバリゼーションに遭遇する―世界の権力は中国?」のテーマに、カイ記者は中国政治システムを激しく批判した。記者は、中国の言論の自由が強く制限されており、人々の監視も厳しくなっていると語った。

▶ 続きを読む
関連記事
インドネシア政府は、総額73億ドルを投じた「フーシュ(Whoosh)」高速鉄道プロジェクトをめぐり、北京との間で緊急の債務交渉を行っている。
中国が進める一帯一路のインフラ事業を巡り、参加国から不満や反発が相次いでいる。一帯一路は過去の案件への追及に縛られ、かつての『世紀の事業』から『世紀の重荷』へと変貌しつつある。
中国の三峡ダムが一帯一路参加国に広がっている。建設計画を詳しく調べると、ダム建設による利益はほとんど無いに等しく、国の威信や政治的圧力、宣伝効果のために建設が進められたものが大半を占めるという。
米国との貿易摩擦が一時的に緩和する中、中共は南米における影響力の拡大を継続しようとしている。
設計改ざん、署名偽造、基準未満の建材使用──中国主導の粗悪インフラ輸出