新疆政策トップに改革派の汪洋氏 国際批判交わす狙いか
中国最高指導部メンバーの、汪洋・中国共産党中央政治局常務委員はこのほど、新疆ウイグル自治区の政策を所管する「中央新疆工作協調小組」のトップとして関連会議に参加したと報じられた。党内改革派として知られている同氏の起用は、ウイグル人弾圧に対する国際世論の批判をかわす狙いがあるとみられる。
中国国営中央テレビ放送(CCTV)は16日のニュース番組で、汪洋氏が新疆和田(ホータン)市で開かれた第7回全国新疆工作会議に出席したと報道した。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)17日付は、情報筋の話を引用し、汪洋氏は昨年、すでに同ポストに就任していたと指摘した。汪洋氏は昨年4月と今年3月、2回新疆を視察した。
1996年、中国当局は新疆の経済を発展させるために支援を始めた。RFAは、2009年7月5日ウルムチ市でウイグル住民による大規模な抗議デモが発生し、以降、中国当局は新疆政策を経済発展から、ウイグル人による反体制抗議活動の拡大防止に変えたとの見解を示した。
ドイツに本部を構える世界ウイグル会議のスポークスマン、デリシャット・レシット氏はRFAに対して、中国当局がウイグル住民への抑圧を強化する目的で、2000年に「中央新疆工作協調小組」を設立したと述べた。
中国当局の新疆政策に注目しているカザフスタン人の学者、アビオ氏は「今、多くの国が中国当局のウイグル人弾圧を批判し、圧力をかけている。汪洋氏が新疆政策の担当になったのは、国際社会の圧力をかわす狙いがある」と述べた。
一方、中国時事評論家の李林一氏は今年3月、大紀元に対して、改革派の同氏が起用されても、新疆での弾圧政策は今後も続くと指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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