マレーシア当局、中国国有企業の資産2.4億ドルを差し押さえ パイプライン中止で
マレーシアのマハティール首相は15日、中断された中国融資の石油パイプライン建設計画をめぐり、中国国有企業の中国石油天然ガス集団(CNPC)傘下企業に対して、HSBC銀行に保有する約2.4億ドルの資金を差し押さえたと発表した。シンガポールのザ・ストレーツ・タイムズが報じた。
前ナジブ政権が2016年に契約した中国石油天然ガスによる石油パイプライン計画は、2018年、マハティール政権の発足後まもなく、「不公平」な中国事業として同年7月に中止となった。
報道などによると、7月はじめ、マレーシア政府は大手銀行HSBCに、CNPC傘下企業でマレーシア事業を担当する中国石油天然気管道局(CPP)の資産を、マレーシア財務省が完全管理する資産企業SSERに譲渡するよう命じたという。
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