2016年、オーストリアのウィーンで、法輪功学習者は反迫害パレードを行う(GettyImages)

法輪功弾圧の関与者の訪米を制限、リスト作成に着手=米国務省

米国務省は、信仰者に対する迫害に関わった人物に対して、訪米ビザの審査を厳格化する方針だ。在米の法輪功学習者はこのほど、国務省職員から、法輪功弾圧関与者の情報提供の協力を求められた。

法輪功の情報を伝えるウェブサイト・明慧ネットによると、米国移民法および大統領の公示に基づき、国務省は、中国共産党政権から迫害を受けた法輪功学習者が申告する情報で、信仰に対する迫害加担者リストを作成する。これらを訪米ビザ発給の規制の決定材料とするという。

在米の法輪功学習者には同様に、迫害加担者の情報提出の協力を要請する通知が届いている。

国務省は、このビザ審査の厳格化により、移民や旅行、家族訪問、ビジネスなど各種ビザの申請を拒否することを検討している。米国永住権(グリーンカード)を取得している人物も入国拒否の対象になる。

この米国務省の動きを受けて、明慧ネットは中国国外の法輪功学習者に対して、迫害政策の加担者に関する情報提供を呼び掛けている。迫害加担者の定義は、直接の弾圧実行者に限らず、迫害に関する政策の策定者、命令の発令および協力者を含む。

明慧ネットによると、20年におよぶ法輪功迫害で、身元が判明しているだけで、少なくとも4313人が死亡した。学習者は、弾圧政策による法令のない逮捕、裁判で処理されないままの拘禁、死に至るほどの拷問を受けている。学習者の家族や支援する友人も迫害政策の対象になる。職業や学業において退社や退学を迫られるなどの社会的抑圧の被害が、海外の法輪功学習者および人権団体から報告されている。

明慧ネットによると、中国共産党政権による法輪功迫害政策の維持に手詰まりを感じた、高層から実務者レベルの当局者たちは、家族と共に海外逃亡の用意をしている。法輪功迫害の断罪では、厳しい処罰を受けることを恐れているという。

米国移民法第212条、および合衆国法典第8編1182条の「入国を許可しない外国人」には、次のように記載されている。

・裁判所の判決のない、意図的な殺人である「死刑(私刑)」を下した者

・拷問や残虐な非人道行為、人格を侮辱する処罰を下した者

・刑事告訴のない拘禁を行った者

・誘拐、秘密拘禁、拉致した者

・生存の権利、自由の権利、身の安全の権利を公然とはく奪した者

他の入国関連法では、宗教の自由を侵害する外国政府高官、対象グループの殲滅(せんめつ)のために扇動し、命令し、援助し、協力した人物、天然資源などに関する権力乱用や重大な人権侵害に関わった外国政府の腐敗公人も、米国に入国することはできないと定めている。

2011年8月にバラク・オバマ大統領の署名した大統領令によれば、深刻な人権、人道の侵害を犯した者は、米国への訪問の制限を受ける。

(編集・佐渡道世)

関連記事
湖南省株洲市の湘江で、ウイルスサンプル収集用試験管が大量に発見され、住民たちは感染リスクに怯えています。当局は「未使用で損傷はなく、ウイルスは検出されなかった」と発表しましたが、専門家や市民の間で疑問の声が広がっています。試験管の正体や流出の経緯について調査が進む中、不安は収まりません。病院も研究所を信用できないのは間違いない。中国ではコロナが収束していないというのは、こういうことなのか?
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
ニセモノ摘発も命がけ、道徳低下した中国社会。中国福建省の展示会で、偽商品の摘発を目的とするインフルエンサーが暴行を受ける事件が発生しました。「福建鉄鉄」のカメラマンが問題商品を通報したことがきっかけで、出品者らから集団暴行を受けたとされています。この事件は、中国SNSやメディアで大きな注目を集めており、現在、市場管理局と公安当局が調査を進めています。偽商品撲滅の活動が招いた事件の経緯とその背景に迫ります。
19日、中国江蘇省連雲港市にある国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」の正門前で、ある女性が滞納された給料の支払いを求めて会社管理者の足に抱きつき泣き叫ぶ姿が撮影されました。この動画はSNSを通じて拡散され、多くの人々に衝撃を与えています。女性の訴えに耳を貸さない企業の対応と、中国社会で頻発する同様の問題に、ネット上では悲しみと怒りの声が相次いでいます。「惨め過ぎる」労働者の姿。官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」中国のリアル。経営者が人間なのか? 人間であれば、会社をつぶす決意をして、会社財産を売って、給料を支払うはずだが。
湖北省武漢市で、配達食注文に対するクレームが原因で、配達員がナイフを持って客の家に押し入ろうとする衝撃的な事件が発生した。監視カメラには、ドアを内側から押さえる家主と、外でナイフを振り上げながら脅す配達員の姿が記録されている。この事件をめぐり、SNSでは中国社会のストレスや労働環境への懸念が噴出。「極限状態にある人々の行動は予測不能」といった声も広がっている。 至るところに「火薬庫」の中国、言動を慎まないと、いつどこで殺されるかわからない。