テリー・ブランスタッド駐中国米国大使は5月、チベットを訪問した(JIM WATSON/AFP/Getty Images)

米国大使、チベット訪問 自由の干渉に懸念表明

駐中国米大使館によると5月25日、テリー・ブランスタッド大使は訪問先のチベット・ヒマラヤ地域で、中国政府に対して、亡命中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との実質的な対話を行うよう求めた。

習近平主席と「旧知の仲」と言われるブランスタッド氏はこのほど、チベットと近隣の青海省に19~25日まで滞在した。駐中国米大使がこの地域を訪れるのは4年ぶり。

さらに大使は、中国政府がチベット仏教徒の宗教の自由に干渉することや、長らくチベット地区への入域を制限していることについて懸念を示した。中国共産党政府は、外国人、特に外交官やジャーナリスト、報道関係者によるチベット地域への入域を制限している。

米議会は2018年12月、チベット相互入国法を可決した。中国政府が、米国政府幹部やジャーナリストを含む米国人のチベット入域を規制した場合、中国政府幹部の訪米を制限することが可能となる。

米大使は滞在中、ポタラ宮殿、ジョクハン寺院、ラサの主要な宗教施設を訪問した。

国際人権団体は、中国政府はチベット文化や基本的人権を侵害しており、地域の宗教や文化の実践に厳しい制限を課していると非難している。

1950年に中国軍がチベット地域に侵攻した。以後、共産党政権による寺院の破壊、言語の禁止、収容所での労働教養など、非人道的な同化政策が進んでいる。

チベット密教の精神的指導者ダライ・ラマ14世は1959年、中国共産党の統治に反対する蜂起と混乱を避け、インドに亡命した。それ以来、チベット人のための高度な自治を求めている。

(翻訳編集・佐渡道世)

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