春の憂鬱、鍼灸で退治
春は陽気が上昇し、気分も浮き浮きして明るくなります。しかし、この時期に不安、不眠、憂鬱(ゆううつ)になる人もいます。このような患者は、漢方医学から見れば、肝臓の機能が弱い場合が多いです。肝臓は血液を蔵し、疏泄を司ります。疏泄とは、気機の調達を管理し、つまり気の流れをスムーズにさせます。この機能が弱くなれば、気の流れがスムーズにいかず、滞りが生じ、気滞の状態になります。さらに気滞によって、気分がすぐれないなどの症状が表れます。
疏泄機能が弱くなるのは、肝臓に十分な血液を蔵していないことによります。つまり、肝血虚が疏泄機能失調の原因です。さらに肝血虚の原因としては、バランスの悪い食事、夜更かし、テレビの見すぎ、睡眠不足などが考えられます。これらの要素は、いずれも生活習慣の問題です。つまり、憂鬱の裏側に生活習慣の問題が隠れています。その他に、出血、出産、手術なども肝血虚の原因になります。
生活習慣に問題があれば、それを直すことが必要ですが、社会生活の環境によってなかなか改善しにくい場合もあります。漢方では、加味逍遥散、四物湯、甘麦大棗湯、酸棗仁湯、温経湯などを処方します。
関連記事
中医学では、体の不調を陰と陽のバランスの乱れとして捉えます。高血圧や更年期症状の事例を通じて、体の熱・冷え・活動・休息を整える視点を紹介します。
なぜ早寝早起きが大切なのか。なぜ感情が健康に影響するのか。中医学の「気」と「道」の考え方から、自然のリズムに沿った暮らしの意味を探ります。
ほてり、不眠、イライラ…。更年期に現れやすい不調を中医学の視点から解説。日々の食養生や体質に合わせた整え方を紹介します。
芒種は田植えや収穫で忙しくなる節気。湿気と暑さが増すこの時期は、除湿や食養生が大切です。昔から伝わる穀物粥の知恵や、梅雨時の過ごし方を紹介します。
頭痛は「ただの疲れ」とは限らない。くも膜下出血・急性緑内障・脳出血など、命に関わる危険なサインを早期に見分ける方法と、日常でできる予防策・ツボ押し・食事法を専門家が解説