神を信ずる者が失うものとは?
昔、ロシアに無神論の学者がいた。ある日、彼はある大会の会場で人々に、神は絶対に存在しないと論じた。会場にいた人々も、彼の主張は理に適っていると思った。学者は天に向かって、「神よ、あなたに本当に力があるなら、どうぞ、ここまで降りて来てください。聴衆の面前で私を殺すことができれば、私も神がいることを信じよう」と言った。学者はわざとその場で、静かに数分間待った。勿論、神がそこに降りてくることはなかった。すると、学者は周りを見回して、聴衆に向かって、「皆さんも分かったでしょう。神などまったく存在しないのだ」と決め付けた。
そのとき、スカーフを巻いた婦人が学者に言った。「あなたの理論は卓越しており、知識も豊かです。私はただの農村の婦人で、あなたに反論することなどできませんが、どうぞ、私の素朴な疑問に答えてください。私は何年もの間キリストを信仰し、神から与えられた恩恵を感じ、非常に幸せです。私は『聖書』を読むのが大好きで、読めば読むほど、私の心はキリストが与えてくださった慰めでいっぱいになります。なぜなら、キリストを信じる人は、人生にとって最大の幸福を得られるからです。仮に、私が死ぬ間際になって、神など存在しないことがわかり、キリストは神様の息子ではなく、聖書はまったくのでたらめだと分かったとしたら、生涯キリストを信じてきた私は一体何をなくすことになるのでしょうか?」
学者は暫らく考え込み、会場も静まり返った。聴衆は婦人の言うことはもっともだと思い、学者自身も婦人の単純な論理に驚いた。学者はしばらくして小さな声で婦人に、「あなたは何も失わないでしょう」と答えた。
関連記事
握力、安静時心拍数、ウエスト身長比。長寿や健康寿命の手がかりになる5つの指標と、改善のヒントを紹介します
燃える町から父を背負い、息子を連れて逃れる英雄の姿に、古代ローマ人が大切にした責任、冷静さ、勇気を見つめます。
60代の中医師が実践する、体も心も軽くなる「老けない生き方」とは?五色を意識した朝食や下半身を鍛える「宇宙散歩ラン」、仕事や付き合いを削ぎ落とす暮らしの引き算。60歳を過ぎてから人生を最高に楽しむための食事・運動・メンタル術を明かします。
帰っても落ち着かない、なんとなく居心地が悪い。そんな家を「ただいま」と言いたくなる場所に変えるには、高いお金も特別なセンスも必要ありません。今日からできる6つのシンプルな方法を紹介します
千年の歴史を支えてきた宣紙。過酷な水火や鍛錬を経て生まれる一枚の紙が、いかにして筆墨を受け止め、文脈を後世へ紡ぐのか。無言の紙漉き工程から天地の理や生命の在り方を読み解く、静謐で深い思索に満ちた一編