GettyImages

元の気ってなに?

毎朝ジョギングを欠かさない近所のお年寄りに「お元気ですね」と声をかけ、しょんぼりしている友人を「元気出せよ」と励まします。普段何気なく使っているこのことば、よくよく考えてみると何とも不思議なことばです。

「元気」には大きく分けて二つの意味があります。一つは、「活動の源となる気力」ということで、「元気出せよ」の「元気」がそうです。古くには、「元気」には、「万物が生まれ育つ根本となる精気」という意味がありました。文字通り、「元の気」ということで、「元気出せよ」の「元気」はこの用法からの派生だと考えられます。

もう一つは、「健康だ」ということで、「お元気ですね」の「元気」がそれにあたります。ただ、この意味の「元気」は本来、「減気」と書かれたようです。このときの「気」は病気の意で、「病の気を減ずる→病が快方に向かう」ということです。また、病気平癒のために祈祷してその「験(ゲン)」が表れる意で「験気」とも書かれました。そして、病気が治るということは、本来の気力に戻ることであることから、「元の気」の意である「元気」と混同され、次第にともに「元気」の字が当てられるようになったようです。「元気」に直接には関係なさそうな二つの意味があるのはこのためです。

ところで、中国語の『元気』には「健康」の意味はありません。「元の気」の意とそこからの派生義しかなく、『傷元気(活力を損なう)』とか『元気旺盛(活力旺盛)』のように使われます。

(智)

おすすめ関連記事:知ってた? じゃんけんの語源

関連記事
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。