GettyImages

紫禁城から知る古代中国の五行思想

万物は五行(五つの要素:金、木、水、火、土)から成り、物事には秩序がある。一見、複雑に見える物体や現象はすべて「五行」で構成されており、互いに関連しあいながら、目に見えない「法」によって、秩序が保たれていると古代中国人は考えた。

ユネスコの世界遺産に登録されている北京の紫禁城(故宮博物院)は、五行を取り入れた代表的な建築物といえる。金、木、水、火、土はそれぞれ対応する色や季節、方角があり、それらを配慮した造りが紫禁城にみられる。

 金 ― 秋、白、西 (涼しさ、終了、夕日が沈む)

 木 ― 春、緑、東 (成長、目覚め、朝日が昇る)

 水 ― 冬、黒、北 (寒さ、凍土、北国の長い夜)

 火 ― 夏、赤、南、(炎、輝き、繁栄、真昼の太陽)

 土 ― 真夏、黄、中心 (肥沃、成熟)

▶ 続きを読む
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。