パプアニューギニアで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)会場内の様子(SAEED KHAN/AFP/Getty Images)
APEC

「借金で溺死させない」米副大統領、一帯一路に警戒呼びかけ フィリピンは協議見直し

パプアニューギニアで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、米副大統領は演説でアジア太平洋諸国に対し、中国政府との返済困難な融資契約を懸念して、主権を害する重い負債を受け入れないよう警戒を促した。フィリピン財務相はAPEC開催期間中、一帯一路関連協定を見直すと発表した。

フィリピンの最大手紙マニラ・ブルテンによると、財務相カルロス・ドミンゲス3世は一帯一路協議の見直しについて「言われているような事(重度債務と主権侵害)がフィリピンの状況に合致しているかどうかを検討している」と述べた。

2016年にドゥテルテ政権誕生以来、同盟国である米国との距離を置き中国接近が見られ、多くのインフラ建設を中国側に委託してきた。国内では240億米ドル(約2兆7千億円)もの中国との融資契約や、現地経済に反映しない中国企業への委託に政権批判がおきていた。同報道によるとドゥテルテ政権の支持率は低下している。

▶ 続きを読む
関連記事
[クアラルンプール 5日 ロイター] - マレーシアとシンガポールは5日、両国の首都を結ぶ高速鉄道の建設を2020年5月末まで凍結し、コスト削減方法を探ることで合意したと発表した。 5月に就任したマレーシアのマハティール首相は、債務圧縮の一環としていったんはこの計画の中止を打ち出したが、その後同国政府が建設先送りを交渉していると表明していた。マハティール氏は前政権が承認したインフラ投資計画の見直
[イスラマバード/ラホール 1日 ロイター] - 中国が掲げる「現代版シルクロード」構想の中央に位置するパキスタンでは、植民地時代に造られた鉄道路線の改修プロジェクトが、長期に及ぶ遅延を強いられており、同国政府もその膨大なコストと融資条件に尻ごみしつつある。 大都市カラチと北西部ペシャワルを結ぶ全長1872キロの鉄道路線(ML-1)改修プロジェクトは、当初予算が82億ドル(約9300億円)に上る
アフリカの途上国シエラレオネ政府は10月10日、国の経済規模を超え、中国から4億ドルの融資を受け建設する予定だった、空港プロジェクトを破棄したと発表した。