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貞観政要

創業と守成はどちらが困難か?

中国五千年の長い歴史の中で中国が最も輝きを放った時代のひとつとされる「唐」時代。中でも唐の太宗の治世は「貞観の治」と呼ばれ、後世、政治の理想とされてきた。

稀代の名君と称せられる唐太宗は臣の言をよく容れ、真摯な思索を通してこの理想時代を創造した。『貞観政要』は唐太宗の言行録であり、家臣とのやり取りを通して思索を深めていく唐太宗の思想過程が記録されている。『貞観政要』から日本でも徳川家康をはじめ、多くの為政者が「政治はどうあるべきか」を学び、現代においても多くのリーダーに影響を与え続けている。

貞観10年、太宗は侍臣に尋ねて言った。「帝王の事業で建国の苦難(創業)と、その国を維持していく苦難(守成)はどちらが難しいだろうか」

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