米ニューヨーク市中心街マンハッタンの夜景。(Stan Honda/AFP/Getty Images)

しぼむ中国の対米不動産投資、前年比55%減

米国不動産調査会社クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが27日に発表した最新調査によると、中国当局の資本流出規制で、17年の中国資本による米不動産投資規模が前年比55%減少した。米メディア・ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

調査によると、中国資本の対米不動産投資金額が昨年、73億ドルとなった。16年は162億ドルだった。

不動産投資先は、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴとシアトルの5都市に集中している。

その内、最も人気の高いニューヨーク市では昨年、中国人投資家による購入金額が前年比で54%減の34億ドルにとどまったという。

同報告は、中国当局が実施した資金流出規制措置で、対米不動産投資が大幅に縮小したと分析した。

中国大企業が米国での不動産投資を急拡大させてきた。15年、保険大手の安邦保険集団が米国史上最高金額19億5000万ドル(約2083億円)でニューヨーク高級ホテル、ウォルドルフ・アストリアを買収したことは、その象徴的な事例だ。呉小暉会長は昨年6月、詐欺容疑で逮捕された。

2017年8月、資金の海外流出を懸念した当局は企業の大規模な海外買収案に「待った」をかけ、銀行に対してこうした買収案への融資を中止するよう指示した。急激に資金調達難に陥った中国複合大手の海航集団、万達集団などは今、海外で買収した不動産資産を次々と売り出している。

ブルームバーグの2月の報道によると、現在中国当局の管理下に置かれた安邦保険も、ウォルドルフ・アストリアの売却を計画しているという。

(翻訳編集・張哲)

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