米ワシントンのキャピタルヒルで開かれた会議で配布されたTwitter社の資料、1月17日撮影(BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images)

ツイッターなどSNSのユーザ検閲、米上院議員「多くの人が懸念」=公聴会

Twitterなどソーシャルメディアに政治的な偏向性があり、表現の自由を侵害していると指摘するNGO組織の証言映像を受けて、米国連邦議会は1日17日に公聴会を開き、YouTube、Twitter、Facebookからそれぞれ代表者が出席した。SNS管理会社がユーザーの発言を検閲しているとの懸念から、ネットでの言論の自由について、注目を集めている。

NGO「プロジェクト・ベリタス」は、Twitterの現役の技術者ら内部関係者の映像付き証言を元に、保守、愛国、トランプ支持、神を敬う考えなどを持つ人物や発言を「隠れ禁止(シャドーバン)」扱いにしていると暴露した。また、中国共産党からTwitterへ圧力があり、当局の検閲を受け入れて、特定ユーザーのアカウントを停止させているとの証言もあった。

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「トランプ支持」「愛国」保守層コメントを表示させない Twitter偏向性を暴露=NGO

証言に基づいて、ベリタスが指摘した「隠れ禁止」とは、SNSに検閲された特定ユーザーや関連の発言が、他者から見えないようになり、そのことは本人にも知らされないという規制システムを指す。

テッド・クルーズ上院議員(共和党・テキサス州)は、1月の公聴会で、指摘されているSNSの偏向性と管理側のユーザー表現表示の操作について「多くの人が強い問題意識を抱えるようになっている」とSNS運営会社の代表者たちに対して問いつめた。

出席したTwitterの公共政策代表担当者のカルロス・モンジェ(Carlos Monje)氏は、Twitterは「過激派」「極端な思想」と分類される発言は検閲するが、それぞれの表示については「ユーザー(設定)に依存する」と述べ、疑念が持たれているシャドーバンについては明言を避けた。

1月、FOXニュースに宛てた声明で、ベリタスの暴露について「この映像は、あらかじめ用意された脚本に合うように編集されている。欺まん的かつ意図的な作為を遺憾に思う」と述べ、「ユーザー情報の開示は正式な法的要求がなければ誰にも提供されない」と疑惑を否定した。

ツイート、思想誘導はAI担当?技術者が暴露

 

ベリタス代表のジェームス・オキーフェ(Jemes O’Keefe)氏はシャドーバンについて「重大なニュースが起きたときにしばしば発生する」という。また、ベリタスの調査が、SNSの担当者を公聴会で証言させるまで至ったことについて「民主主義は、広く知らされていくことで成功する。私たちの調査は、民主主義に寄与できたということになる」と述べた。

ベリタスが3月14日に公開したTwitter技術者の証言ビデオによると「神」「米国国旗」「銃」に関して、思想を誘導する数千のユーザーは、人間ではなく「ボット(人工知能による自動配信)」だと暴露した。

SNSを通じたインターネット上の交流が増えるなか、SNS管理会社が政治的検閲を行っているとの懸念が浮上している。ネットでの発言の自由の保護を、法整備化してほしいとの意見も増加している。

ホワイトハウスが運営するの請願サイト「ウィ・ザ・ピープル(We The People)」には、オンラインの自由な発言を保護するために、米連邦議会に対して「インターネットの権利章典」の制定を求めるとの請願活動があがった。3月はじめにスタートし、中旬までに2万件近くの署名を得ている。「巨大な公共の交流場であるSNSは、政治や信念の異なる考えについて、検閲されるべきではない」と署名呼びかけ文書には記されている。

(文=ジョシュア・フィリップ/翻訳編集・佐渡道世)

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