サイパンの中国企業が中国人労働者の給料15億円を未払い 米政府、支払いを指示

労働省は5日、サイパン・カジノ&ホテル建設の請負企業に対して、雇用され2400人あまりの中国人労働者に、未払い賃金と損害賠償などを含む1400万ドル(約14億8540万円)を支払うよう命じたと発表した。請負企業4社は、本部が中国国内にある中国系建設企業だという。米AP通信など複数のメディアが報道した。

報道によると、サイパン島が位置する北マリアナ連邦諸島政府は観光ビザを免除しているため、「観光客」としてサイパンに入った後、就労ビザがないまま中国系企業に雇用される中国人は後を絶たない。しかし、請負企業は、カジノの建設現場で働く中国人労働者らに対して、法定最低賃金を下回る水準の賃金を支払い、時間外労働も強いた。中国系企業が、重労働から国内に逃げないように、労働者たちのパスポートを取り上げたという。

中国人労働者は、サイパンで雇用される前に、航空運賃と雇用手数料の支払いを要求され、1人当たり6000ドル(約63万6600円)の負債を負わされた。

米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、ニューヨークに本部を置く労働者権利擁護団体、「チャイナ・レーバー・ウオッチ(CLW)」の担当者は、サイパンの中国人労働者からの訴えを受け、米政府に通報したと話した。

中国当局や駐米中国大使館はこの件についてコメントを出していない。

中国国内では、ほとんど報道されていない。ポータルサイト「新浪網」は7日、中国政府系メディア「環球時報」の同関連記事を掲載したが、現在削除されている。「環球時報」の電子版では、今この関連報道は確認できない状況だ。

(翻訳編集・張哲)

 

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