安邦保険集団の呉小暉会長は昨年6月に中国当局に連行されたと報道された。(大紀元による合成写真)

中国、保険大手・安邦を公的管理 「紅いファミリー」への締め付けか

中国当局は24日、金融大手の安邦保険集団(以下、安邦)を今後1年間当局の管理下に置くと発表した。また、当局は同社の呉小暉会長について、「詐欺」と「業務上の横領」などの経済犯罪の疑いで起訴した。呉会長は昨年6月に当局に身柄拘束された。

呉小暉氏と言えば、中国の最高実力者だった鄧小平(故人)の孫娘と結婚し、「紅色駙馬(皇女の夫)」と呼ばれる金融界の実力者。

専門家は、呉小暉氏をヤリ玉にあげたのは、中国共産党元老や高級幹部とその親族、特に江沢民ファミリーへの見せしめだとの見方をしている。最近、積極的に海外企業を買収してきた安邦などの大企業に対して、習近平当局はすでに、資本流出や金融リスクの点から取り締まりを実施している。

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中国共産党第18回全国代表大会(18大)以来、習近平氏は軍事、政治、教育、経済など各分野で江沢民政策を覆してきた。そのため、江派の利益集団からの反発も空前絶後のものとされる。19大まで過去5年間も繰り広げられた習、江両陣営の熾烈な戦いは、江派勢力の敗退で決着がついたとも読み取れる。
過去数年間、海外企業に対して積極的に合併・買収(M&A)を進み、巨額の買収金額で世界を驚かせた中国企業は、中国当局の資本流出規制などによって、今資金難に陥り、次々と海外資産売却に追い込まれている。このほど、大連万達集団などの新たな資産売却計画が報道された。
中国政府組織は最近、国内金融大手の安邦保険グループは「破産の危機」にあるとして、政府の管理下に置くと発表した。安邦は近年、ニューヨーク市の高級老舗ホテル、ウォルドルフ・アストリアを含む海外の企業や資産を積極的に買収したが、背景は共産党内の敵対する勢力があると睨んだ習近平政権は、「人民元流出規制」を名目に、同社を失墜させた。