ツイッター、中国の検閲に協力「ハッキングされるから」元技術者が暴露
メディアやSNSの偏向性を調査するNGO組織は最近、ツイッター(Twitter)の元技術者の話を記録した映像をネットに公開した。それによると、ツイッターは中国共産党当局の検閲を受け入れ、ユーザーアカウントを停止していると暴露した。もし、中国側の情報統制に協力しなければ、当局によるサイバー攻撃に遭うといった、圧力を受けていることも明かした。
中国国内のインターネットユーザーは、政府開発の情報統制システムにより、通常はツイッターを利用することはできない。しかし、検閲を突破する外国のプロキシーサーバーを使えば、利用可能になる。ITメディアTechCrunchによると、中国には約1000万人のアクティブユーザーがいると推計されている。ツイッター全世界ユーザーは3億2800万人。
有志のジャーナリストの協力を得て、報道や情報の不正を調べるNGO組織「プロジェクト・ベリタス」は、隠しカメラを使用して、ツイッター社の元技術者コンラッド・ミランダ(Conrado Miranda)氏を1月に取材した。同氏は、中国政府の検閲について、明言は避けたものの、ツイッターが圧力を受けるため、協力せざるを得ない事情について明かした。
「そう、ツイッターは多くのことを中国のために行っている」。続けてミランダ氏は「実際、定期的に中国からのサイバー攻撃を受けている。これは2通りあって、一つは『個人』(政府検閲に加担する個人)、そしてもう一つは中国政府からだ」
(動画:プロジェクト・ベリタスは1月、ツイッター社の元技術者コンラッド・ミランダ(Conrado Miranda)氏との会話を秘密裏に記録した映像を公開した)
ミランダ氏によると、中国政府はしばしば、ツイッター社に対して、共産党政権が敏感問題として扱う話題に言及するユーザーアカウントを失効させるよう要求している。
「失効させなければ、中国政府はハッキングしたり、誰かを名指して…などなど。私たちは暴力を受けているんだよ。そして中国国内にいる『個人』がツイッターを攻撃する…メチャクチャだよ」。
別の映像ではミランダ氏は、悪意ある組織の手中に個人情報が渡らないよう守っていくのは「不可能だ」とも明かした。ミランダ氏の知る別の上級技術者はまた、ツイッターについて「気味の悪いビッグブラザー」と監視社会に例えたという。
NGO「ベリタス」は前回、ツイッターが保守的や愛国的(親米)、親トランプ、有神論の意見者やコメントを表出させないよう、隠れ禁止(シャドーバン)扱いしていると、現職や引退したスタッフの話を公開して、注目を集めた。
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ツイッター社はベリタスの指摘について、「全くあり得ないことだ」と否定している。
(編集・佐渡道世)