2017年12月、ニューヨーク市郵便局の付近を警備中の現地警察官(Drew Angerer/Getty Images)

米国のテロ犯罪者、73%が外国出身 移民制度見直しの声高まる

2001年の米国同時多発テロ「9.11」から2016年末までに発生したテロ事件に係わった犯罪者の73%が、外国出身者あるいは外国籍だったことが米当局の調査で分かった。移民制度の審査厳格化を求める声が、当局内から上がっている。

米国の司法省と安全保障当局の調べによると、米国で犯したテロ行為により連邦裁判所で有罪判決を受けた549人の被告のうち、254人は外国籍、148人は外国出生者で米国市民権取得者、残りの147人が米国出身および米国籍だった。

この報告について、上級政府当局者は16日の記者会見で「親族招へいなど連鎖的に移民を生む制度、たんなる『幸運』に頼るビザ抽選プログラム(米国移民希望者がくじ引きで永住権/グリーンカードを得る制度)による結果だ」と16日に記者団に語った。

米国では、永住権の取得者は優先的に親族を招へいし移住させる権利を手にする。米国移民局(USCIS)のフランシス・シスーナ(Francis Cissna)局長によると、2015年にグリーンカードを取得した100万人のうち、約72%が家族を招き入れたという。

ビザ抽選プログラムは、米国への移民率が低い国の国民を対象に、希望者に対して毎年5万枚のグリーンカードを提供している。「このくじ引き制度は、米国で暮らせるかどうかの能力を図る基準として適切ではない」と、シスーナ局長は、同制度を批判した。

緩い入国基準により、米国の安全を脅かした例は複数ある。裁判所の記録によると、2016年に過激派組織ISを支援した容疑で懲役11年の有罪判決が下った、スーダン籍のマハムド・アミン・モハメド・エルハッサン(Mahmoud Amin Mohamed Elhassan)は、米国の法的永住者の親族として家族に招かれ、2012年に米国に入国している。

別の事例では、ウズベキスタン籍のアブドゥラサル・ハサノビッチ・ジュラボフ(Abdurasaul Hasanovich Juraboev)は、2011年にビザ抽選プログラムの当選者として米国に入国した。2015年、ISへの支援と共謀の容疑が発覚し、2017年に懲役15年の有罪判決となった。記録によると、ジュラボフは、ISの「聖戦」のためにオバマ大統領を殺害するといった内容を宣伝するウェブサイトを運営していた。

米国は2017年、2554人をテロ組織との関係の容疑で入国を阻止した。そのうち2170人が飛行機で、335人が陸路、49人が船から上陸を試みていた。

トランプ大統領は昨年9月、米国への入国禁止対象国にイラン、リビア、北朝鮮、シリア、ソマリア、イエメン、チャドの8カ国を挙げた。一部のベネズエラ国民も米国入国が制限されている。イラク国民は規制されていないが、監視対象となっている。

(文・Charlotte Cuthbertson=英文大紀元/翻訳編集・佐渡道世)

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