香港で台湾市民の水際送還が多発、10月以来10人

台湾の作家で社会運動活動家の張鉄志が16日、香港空港で強制送還された。10月末から現在まで、少なくとも10人の台湾人が入境できず、水際送還に遭っている。

台湾中華文化総会の副事務局長の張鐵志氏は6日、個人のツイッターで送還されたことを明らかにした。張氏は、香港で開かれる「四城(香港、上海、深セン、台北)文化交流会議」でスピーチする予定だった。

同氏によると、これまで自由に香港に出入りしていたという。台湾政治大学東亞研究所王信賢所長は台湾紙・自由時報に対して、同氏の中華文化総会副事務局長就任と関係しているとの見方を示した。

中華文化総会は台湾政府が出資する、中華伝統文化の復興を趣旨とする民間団体。現任の会長は蔡英文総統で、故・蒋介石は初代会長だった。

別の台湾人男性も4日、香港空港で入境を断られた。香港で気功団体・法輪功への集団弾圧に抗議する活動に参加した男性は、共産党から支持を受けている団体に刑事告訴されて有罪判決を受けたものの、14日の控訴審に参加するため香港を訪れた。入境審査カウンターで裁判所の呼出状を提示したが、入境することができず、強制送還された。

10月末から少なくとも、社会運動家、学者、映画プロデューサーなど10人が香港で入境を拒否された。 

香港特別行政区立法会の郭家麒議員は「日頃の言動が原因で入境できなかった」と分析し、香港が「本土化」していると批判した。

 

(記者・林怡、翻訳編集・叶清)

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