10月13日、性能データ問題で謝罪する川崎博也会長兼社長。(Photo credit should read STR/AFP/Getty Images)
品質問題

神戸製鋼データ改ざん問題 中国市民「それでも中国製より質が良い」

不正事実が次々と明るみに出ている神戸製鋼の性能データ改ざん事件。名門企業だけに、メイドインジャパンの信頼性を失墜させたと批判され、事態は大きくなる一方だ。

最初に不正が報じられたのは10月8日。当初、アルミ・銅製品のみと発表したが、3日後には鉄粉や液晶画面材料でも不正があったと認めた。さらに鋼線、ステンレス鋼線まで広がった。素材メーカーだけに出荷先も多く、データを改ざんされた製品は鉄道、自動車、航空機メーカーなど500社以上に上った。

同社製品は中国にも輸出している。10月27日、江西省のある工場は神戸製鋼の製品(300万元相当)を返品したと報じた。返品されたのは蒸発機に使用される配管自動溶接設備。同設備は使用中、温度が異常に上昇したため、検査を実施したところ、問題が発覚したという。「品質不良の外国製品を決して見逃さない」と品質に厳しい態度を示した。

しかし、報道を見た中国市民の反応は冷静だった。「データ改ざんがあったとしても日本の製品は中国製品より質が良い」と擁護するコメントが投稿され、市民は中国製品に対する強い不信感をあらわにした。

また、中国の鉄鋼生産能力の過剰問題を引き合いに出し、「国産の鉄鋼が余っているのに、なぜ日本の鉄鋼を輸入しているのか」と皮肉った。

さらに、中国製品の質の悪さは嘲笑の対象となっている。「偽物王国が外国製品を取り締まっているとは驚きだ」「日本の製品は中古品でも中国産より使いやすい」「神戸製鋼が改ざんしたデータを是非公開してほしい。中国製の鉄鋼製品のデータと比べてみたい」

中国メディアは神戸製鋼の不正を連日のように報じている。「テレビで毎日取り上げているが、神戸製鋼は今の基準を10倍緩めても問題がない」「データの改ざんは良くないが、鉄鋼製品の品質が悪いというわけではない」「テレビはあおりすぎだ」「この事件をあおり、市民に日本製品を敬遠させようとでも思っているのか、そうはいかない」と市民は冷静に受け止めている。

(李沐恩)

関連記事
通学中の学生を狙った社会報復事件が絶えない中国、学校前は厳重警備。
その非人道的な所業から多くの国から停止を求められている中共の臓器狩り。中国共産党は否定しているが、今回、党内部の官僚から内部告発があった。告発者は「これはすでに産業化された仕組みだ」と述べている
10年前、中共は「中国製造2025」計画を掲げハイテク製造業強国を目指した。しかし現在、中共は知的財産権侵害や不公正競争の指摘を受けている。EVや高速鉄道で進展も、核心的な技術は不十分だ。
中国の資本市場から11月に457億ドルの資金が流出し、過去最大を記録。トランプ氏の関税政策への懸念と中国経済の不安定さが主因。中国政府の景気刺激策は市場の期待に応えられず、人民元も下落。習近平は窮地に陥っている