10月21日ビットコイン相場が6000ドルを突破した。(Getty Images)
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ビットコイン6000ドル突破、新通貨誕生の可能性も

インターネット上の仮想通貨の代表格ビットコインの価格が急騰している。英取引所大手「ビットスタンプ」によると、10月21日に欧米市場では1ビットコイン=6000ドル台(約68万円)に到達し、人民元建て価格は4万元台を突破した。

中国当局は9月上旬に、ビットコインなど仮想通貨市場への規制を強化した。国内メディアによると、当局のビットコイン取引所閉鎖令で9月8日の国内取引市場で、1ビットコインは前日比20%安の2万4000元(約41万円)まで急落した。しかし、活発な個人間の取引などで、相場が再び上昇して10月に入ってから1ビットコイン=3万元(約51万円)に値上がりした。今月21日につい4万元台を突破した。この1カ月ビットコイン価格は約67%急騰した。

米金融情報サイト「マーケットウォッチ」はこのほど、世界的な急上昇の主因は、11月ビットコインのシステム改良によるビットコイン再分裂の可能性などにあると分析した。

ビットコインのコア開発者らが11月に、「SegWit2x」によって、ビットコインのブロックサイズ(ビットコインの取引データを保存する単位)を1MBから2MBに拡大する予定だ。これによって、今までのビットコイン取引記録が枝分かれし、新たな仮想通貨が誕生するとの予測がある。今年8月と10月24日の、ビットコインの技術更新でビットコインから「ビットコインキャッシュ」と「ビットコインゴールド」が生まれた。

ビットコイン取引所は、新しい仮想通貨が誕生した際、ビットコイン保有者に、保有するビットコインと同量の新通貨を付与する。8月のビットコインキャッシュが誕生した後、ビットコイン保有者はすでにビットコインキャッシュを付与された。そのため、11月新通貨の誕生と新通貨の値上がりを狙う投資家からビットコインの買い注文が集中している。

米CNBC放送がこのほど公表した市場調査によると、アンケートに協力した2万3118人のうちの49%は、ビットコイン相場が1万ドル台(約113万円)を突破する可能性が高いと推測する。

金融界では仮想通貨について、意見が完全に分かれている。

米金融大手JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモン会長は9月米での投資家向け会議において、ビットコインについて「詐欺だ」と批判し、17世紀に起きたチューリップバブルの「チューリップの球根よりも悪い」と例えた。

かつて「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と呼ばれた元株式ブロッカーのジョーダン・ベルフォート氏もダイモン会長と同様な認識を示している。

一方、欧米メディアによると、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は今月上旬、仮想通貨について「ビットコインは発展途上で、今は静観すべきだ」「一部の政府が仮想通貨取引を規制・禁止するのは賢明ではない」との見解を示した。

米金融大手のゴールドマン・サックスも今月初め、ビットコインなど仮想通貨取引への支援事業展開を計画していると発表した。

(翻訳編集・張哲)

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