北朝鮮の動向、世界全体危険にさらす=米国務長官
[ソウル/ワシントン 15日 ロイター] – ティラーソン米国務長官は15日、北朝鮮による新たなミサイル発射を受け、北朝鮮の行動が世界全体に脅威を及ぼしていると批判し、同盟国の日本や韓国と緊密に連携していく意向を明らかにした。
北朝鮮は同日早朝、日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射。わずか1カ月足らずで2回目のミサイル発射となるほか、今月初めには6回目の核実験を強行しており、緊張が高まった。
ティラーソン長官は「一層攻撃的となり、孤立化が進む北朝鮮の政権は韓国、日本の民主主義国家を脅かしている。さらに最近になって、こうした脅威は米国にも及び、世界全体を危険にさらしている」と批判した。
さらに、東アジアの同盟国である韓国と日本、他の友好国と連携するほか、問題解決に向けて国連安全保障理事会の枠組みでコンセンサスの形成を探っていく構えを鮮明にした。
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