大気汚染
韓国のPM2.5、中国発は3割以上=調査 ネットでは「信じられない」と不信感
韓国の環境科学院とアメリカ航空宇宙局(NASA)が共同で韓国の大気汚染状況を調べたところ、PM2.5(微小粒子状物質)の3割超が、中国から飛来していると発表した。ハンギョレ新聞などが19日に報じた。いっぽう、韓国のネットは、結果に不信感を示すコメントが相次いだ。
韓米共同調査チームは2016年5月から6月に、ソウル市のオリンピック公園で大気品質のデータを収集。NASAが所有する観測用航空シェット機DC-8が公園の上空で52回も行き来し、大気観測を行った。
調査結果によると、同地区で測定されたPM2.5は、国内要因が52%、国外からは48%を占める。うち、中国の山東省や北京、上海地区がそれぞれ22%、7%、5%となり、北朝鮮が9%、ほか5%。
中国の深刻な大気汚染は、工場、発電所、自動車など人為的な要因が多いとされる。特に冬季は、暖房用の石炭焼却にによる排ガスが増加し、空気が滞留し、汚染物質の含まれる「スモッグ」も滞留しやすくなる。
環境科学院の大気環境研究部のキム・ジョンス部長は「今回の調査は、1年のなかで国外のPM2.5の影響が大きくない時期に行われた」とし、約半分が国内要因との結果に「PM2.5の濃度を減らすために韓国内で努力する部分は多い」と説明した。
いっぽう、韓国のインターネットでは「(中国からの流入が)34%だけなんてありえない。80%以上だ」と調査結果を信用できないとする声がほとんどだ。
今まで韓国当局は国内のPM2.5が中国から飛来したと指摘したとき、中国側はいずれも「科学の研究と分析が必要」として責任を回避してきたが、今回の調査は、韓国が中国に説明を求めることができる証拠となりうる。
今回の共同調査は2019年まで続き、分析結果は順次公開される予定。
(翻訳編集・王君宜)
関連記事
大気汚染による悪影響は、中国の公衆衛生上の大きな懸念となっている。2010年の世界疾病研究の報告書によると、大気汚染で2500万人が健康を害し、120万人の早期死亡を招いたという。この風潮をふまえ、空気の即販や空気缶など「きれいな空気ビジネス」が展開されている。
中国の大気汚染が悪化している。その汚染の広がりは本土だけでなく、海を越え、台湾、韓国、日本にも届いている。NASAの地球観測システム「GEOS-5」の分析で一酸化炭素濃度の流れを可視化したデータによりわかった。
トランプ米大統領は今月1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱することを発表したことで、国際社会に波紋を広げた。世界各国政府関係者や学者や主要メディアが相次いで、トランプ大統領の決定を強く非難した。