習近平氏の旧友で駐中アメリカ大使は中国SNSで「米中は共通課題に直面」と語った。2013年4月15日、アイオワ州知事テリー・ブラインスタッド氏は、中国国家主席・習近平氏と北京で面会(Andy Wong-Pool/Getty Images)
米中関係

習近平氏の旧友 駐中国アメリカ大使「米中は共通課題に直面」

まもなく中国に着任するテリー・ブランスタッド(Terry Branstad)駐中国米国大使は最近、「米中は共通課題に直面している」とし、北朝鮮の核脅威を止め、米中の貿易不均衡を解決することを優先するとの意向を明かした。

元アイオワ知事で習近平国家主席の旧友ブラインスタッド氏は、6月26日に中国のソーシャルメディア・微博に投稿した短い挨拶ビデオで、「2国間の貿易不均衡を解決し、北朝鮮の脅威を止め、人と人とのつながりを拡大することが最優先課題」と述べた。

22年間に渡りアイオワ州知事を努めたブラインスタッド氏は、習近平氏と1985年の最初の対面以来、30年にわたり連絡を取り合ってきた。

「中国と協力して、米中関係の未来を築くことを楽しみにしている。職業、教育、高齢化、医療など、私たちは多くの同じ課題に直面している。強力な関係が解決の助けになるだろう」とブラインスタッド氏は述べた。

ブラインスタッド氏と習近平氏は1985年に初めて出会った。公式交流プログラムの一環として、まだ30代で石家荘市の地方官僚だった習近平氏は同州を訪れ、州知事として第一期をスタートさせたブラインスタッド氏と面会。以後、30年以上の交流がある。

ドナルド・トランプ米国大統領は2016年12月、今後の米中関係を重視して、中国の指導者である習近平氏や官僚との個人的なつながりを持つブラインスタッド氏を在中大使に選出した。

習政権の管理する中国メディアは、ブラインスタッド氏について、習近平氏の「旧友」と表現している。

トランプ大統領は、日本などの同盟国と米国の脅威となっている北朝鮮の核・ミサイル問題の解決について、習近平氏との有益で率直な交渉を通じて、中国側の助力を呼び掛けている。

6月20日、トランプ大統領は自身のツイッターで「北朝鮮問題で習近平国家主席と中国の取り組みを高く評価するが、上手くいっていない。少なくとも、努力したことは分かっている」 とコメントした。

翌21日には米中外交・安全保障対話が開かれた。米国側はティラーソン国務長官とジェームス・マティス国防長官が、中国側は外交トップの楊潔篪・国務委員の房峰輝・人民解放軍統合参謀部参謀長が出席。

会談の内容について、マティス国防長官は「中国も米国と同じ、朝鮮半島の非核化を最終目標としている」「中国は北朝鮮問題の解決に向けた取り組みを継続していく」とした。 ティラーソン国務長官は「米国の、北朝鮮が安全保障上で最高の脅威となるとの認識は、中国も理解している」と述べたが、具体的に、中国がどのような措置をとるかについては明かさなかった。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
トランプ前大統領は11日、TikTokについて、米国の国家安全保障に対する脅威としながらも、禁止すれば影響を受ける子どももいるとしたほか、米メタ・プラットフォームズ傘下フェイスブックの拡大につながるだけとの考えを示した。
2024年米大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領の陣営は、共和党の候補指名に必要な代議員数を3月19日までに獲得できると予想している。幹部が18日、明らかにした。
米ワシントン連邦地裁のタンヤ・チャトカン判事は13日、トランプ前大統領が2020年の大統領選挙結果を覆そうとした疑惑を巡る訴訟で、免責特権は適用されないとの判決を不服としてトランプ氏が上訴しているため、訴訟手続きを一時停止した。
11日までに実施したロイター/イプソス調査で、2024年米大統領選に向けた共和党の候補指名争いでトランプ前大統領が同党支持層の支持率で圧倒的優位を維持した。
米国のジョンソン下院議長は、2020年1月6日に国会議事堂で起きた事件の4万時間を超える映像を公開すると決定。ターナー下院情報特別委員長は、このことは称賛に値する「重要な」一歩だと述べた。