上海の高層ビル群。2016年10月撮影(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)
住宅購入制限

当局バブル抑制策に対抗、仲介業者が結婚と離婚くりかえす

中国各地方政府は最近、住宅購入制限などの不動産バブル抑制措置を相次いで打ち出している。この潮流に、不動産開発企業や仲介企業も「応戦」している。一部の仲介業者の社員は、住宅を購入させるために、顧客に何度も結婚と離婚を繰り返していたことが明らかになった。

中国国営中央テレビ(CCTV)財経チャンネル27日付によると、中古物件を購入予定という顧客に扮したCCTVの女性記者は、仲介業の担当者に、上海市の新たな抑制措置で自分は上海の住宅購入できないと話すと、担当者は「上海市民と偽装結婚すれば。住宅を手に入れた後に離婚すればよい」と提案した。

市の新たな抑制措置は、上海市戸籍を持たない他の地方出身者が上海で住宅を購入する際、配偶者が上海市戸籍を持つ市民で、さらに、双方が本人名義で上海に不動産を持っていない場合、家庭単位で住宅を最多2軒購入することができると定めたもの。

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 中国不動産市場のバブルを沈静化したい中国政府は9月末、北京、上海など20の大中都市で住宅購入や住宅ローンの厳しい制限と土地供給拡大の調整政策を次々と実施した。この結果、多くの都市では住宅価格が大幅に下落した。ただ、社会不安を引き起こす価格の急落を防ぐため、中国当局は共産党の党員幹部に対して、不動産の売却を禁じることにした。
 現在、中国経済がかかえる最大の課題は、急増したマネーサプライ(通貨供給量)によってもたらされた資産バブルだ。中国では、資産運用手段が非常に少ないため、資産バブルを指す場合は不動産バブルを指す。中国政府は異例の経済会議で、今後も厳しいバブル抑制措置を実施する意向を示した。
中国各省政府がこのほど公表した2017年固定資産投資目標では、総規模が45兆元(約765兆円)以上の見込みになるとみらえる。専門家は、中国当局が、不動産バブルや企業負債急増などを招いた経済刺激策を、再び講じようとすることに強い懸念を示した。
中国不動産市場は2014年以降、各地で住宅ローン制限や頭金比率の引き上げなどの不動産バブル抑制政策が次々と緩和されたため、昨年価格が大幅に上昇した。これを受けて、昨年10~12月において、上海や北京などの20の地方政府は一転して、再び抑制措置の実施に踏み切ったが、まだ大きな下落は起きていない。専門家は、中国当局が長期的に土地を独占することが、不動産バブルの根本的な原因だ。