次世代ファッションのアイデア 得票数で100万ユーロ分配
H&M基金は、ファッション業界のなかで廃棄物をなくす次世代のアイデアを募った第2回「Global Change Award(グローバル・チェンジ・アワード)」で、選ばれた5つの優秀作品のネット投票を、27日から受け付けている。
専門家からすでに選ばれた5つの優秀作品は、世界中から受け付けるオンラインでの投票で、得た票の多さにより賞金100万ユーロの分配比率が決まる。獲得料金が多ければ、アイデア実現までの距離が縮まるだろう。
オンライン投票は 2017年3月27日から4月2日まで行われる。5つの受賞アイデアは、次の通り。(タイトルをクリックして公式説明動画)
世界的に人気の高いデニム産業だが、その分、廃棄も多い。古着デニムを細かい粉にして、新しいデニムを染めたり、テキスタイルにプリントするための染色パウダーに使用する。
生物分解性テキスタイルを作り出すために牛の糞に含まれる貴重なセルロースを抽出し、使用する。これによって、メタンガスや土、水、大気を汚染する物質の放出も著しく減少させることができる。
RFID糸を使ってデジタル化された「材料リスト」情報を服に織り込む。服の材料がすぐに明らかになるため、リサイクルがさらに効率が良くなり、廃棄物の量が少なくなる。
4.バイオマスと太陽光エネルギーで作られるカーボン結合ナイロン
石油の代わりに水、植物性廃棄物、そして太陽光エネルギーのみを使って分解性ナイロンを製造する。
ワイン生産からの残余物を使用して上質の植物性の合皮を生産する。合成皮革を作るための石油の必要性を減らす。
H&M基金によると、第二回アワードには130カ国から 2,883件の革新的なアイデアが集まったという。同役員でH&MのCEOカール・ヨハン・パーション氏はネット投票開始に際して「異なる業界から、様々な背景や視点を持つ人びと(の知恵)を集めれば、循環型の廃棄物を出さないファッション産業への根本的なシフトにつながるだろう」とコメントしている。
(編集・甲斐 天海)