大紀元コラムニスト臧山

脅しで香港を操作しようとする、中国本土の恐ろしさ

9月4日の香港立法議会選挙を終えて、2人の政治家は記者会見を開き、選挙の前後で脅迫や尾行などの圧力を受けていたことを明かした。中国共産党は、本土と同じように、脅しにより香港政府を操作しようとしている。

自由党の周永勤氏は、中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室(中聯弁)から、今回の選挙で立候補の辞退を告げられた。また、深センで周氏本人や家族、友人の情報に詳しい「3人の北京人」から、行動を制限する圧力を受けた。これにより、周氏は投票が終わるまで香港を離れざるをえなくなった。

無所属で“本土派”(注)の朱凱迪(エディー・チュー)氏に対しては、立候補を表明した時点で脅迫が始まった。選挙に勝利してからは、何者かから常時、尾行されるようになった。言い知れぬ恐怖を感じた朱氏は、家に帰ることもできず、毎日場所を変えて寝泊りしているという。

▶ 続きを読む
関連記事
香港警察は、昨年末の香港行政長官選挙制度の民主化改革を求める民主化デモで、先頭に立った学生団体の幹部ら3人を含む8人を起訴することがわかった。
香港の民主化を求めた昨年の大規模デモ「雨傘運動」から1年たつ。9月28日、運動の拠点となった政府本部庁舎前に、数千人の香港市民が集まり、一周年記念集会を開催した。参加者は昨年同様、シンボルであった黄色い傘を並べたり、「真の普通選挙」「全国民が圧政に反対」と書かれたメッセージボードを掲げた。
9日未明香港で起きたデモ隊と警官隊との大規模な衝突に関して、習近平国家主席は駐香港部隊などに対し、「勝手な行動をとってはならない」と武力介入を厳禁する命令を出していた。米国の中国ニュースサイト「博聞社」が中国最高指導部に近い消息筋からの情報として報じた。
香港訪問中の中国共産党で序列3位の張徳江・全国人民代表大会常務委員長(国会議長に相当)に対して、香港の民主化を阻止したなどとして、香港政治団体と一部の市民が「張徳江、香港から出て行け」と叫びながら抗議活動が行った。米AP通信が5月18日伝えた。
フランス化粧品大手ロレアル(L’Oréal)傘下ブランドのランコム(LANCÔME)は、中国政府からの圧力を屈し、民主運動支持と知られる香港の女性歌手が参加するイベントを中止したことで、6月8日香港の約16の政党組織と団体が抗議活動を行った。
2年に1度の国際移植大会が8月18日より香港会議展覧中心で開催される。中国から疑惑の多い医師たちが演壇に立つこととなり、国際移植学会の倫理の緩みに対する苦情やボイコットが予想される。
毎年7月末から8月初めになると、中国共産党の最高指導者たちは続々とこの北戴河に集まり、リゾート地で約3週間の夏休みを過ごす。過去30年間、中国の国政に関する多くの重大政策や人事議案は、この間に提起されたり決定されたりしてきたため、このリゾート休暇は「北戴河会議」と呼ばれ、その動向は内外から注視されている。
9月4日に行われた香港立法会(議会)選挙は5日早朝にすべての開票作業を終え、民主派は全議席70のうちの29を獲得した。民主派の議席数が全体の3分の1を超えたため、今後行政長官選挙改革案など中国当局の意向に沿い、当局に有利な重要議案の立法に対する否決権を確保することができた。今回の選挙結果は中国共産党による言論の自由、高度な自治への過剰干渉に反発する香港市民の民意を現した。