若者の苦難
成績優秀で一流大学合格だけど… 受験ロボットを産み出す中国教育の弊害
北京大学考試(試験)研究院の院長が、上海で大学入学の面接試験を行った。受験した高校生たちは完璧なほど成績優秀だが、個性と臨機応変さに欠け、「まるで画一的に生産された家具を見るようだった」と院長がその印象を語っている。中国共産党が推進してきた点数偏重の教育制度が、またも非難を浴びる格好となった。
中国青年報のサイト「中青在線」は8月15日、北京大学考試研究院の秦春華院長が上海で面接試験を行ったときのことを記した文章を掲載した。
それによると、高校生たちは例外なく優秀な成績を誇り、何らかの楽器の演奏もでき、各種科学コンテストの受賞歴もあるなど、一見、欠点など見当たらないように思えた。だが院長には、彼らがあまりに完璧で、そして互いにあまりによく似ていて、まるで画一的に生産された家具のように思えてならなかった。
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