判決後旅客機テスト発着を実行、今後も人工島建設続くか
中国政府は、常設仲裁裁判所が12日に中国が主張する南シナ海におけるほぼ全域の管轄権について否定的な判決を下したことに反発し、13日午前南沙諸島の美済礁と渚碧礁(スプラトリー諸島のミスチーフ礁とスービ礁)に新設した飛行場に民間旅客機の試験発着を行った。
また、中国国内報道によると、人民解放軍東部戦区の空軍ミサイル部隊は予備人員を招集し、10日間の臨戦強化訓練を行っている。招集された約100人の予備人員は5年前に除隊した兵士だという。また、南部戦区海軍も除隊隊員を招集しているという。
米国にある中国語メディア博聞社は14日、2013年1月にフィリピン政府が常設仲裁裁判所に申し立てた直後に、習近平政権は対策を講じ始めたとの中国政府情報筋の証言を報道した。習主席と関係者らは政府内部で頻繁に会議を行い、外交関係者や人民解放軍関係者と政策ブレーンなどが策定した南シナ海国家戦略方案を何度も読み直した。その後習主席などの中国共産党最高指導部が最終案を確定したという。
同情報筋によると、習主席は南シナ海での主権と領土権を守るために米国などとの武力行使や武力介入を念頭に置きながら、「戦争になると中国は混乱に陥る」と警戒し、「私の命令がなければ、誰も発砲してはならない」と強く命じたという。また、同情報筋は、現在最高指導部は米国が南シナ海で中国との軍事衝突を避けたいと判断しているため、同地域における緊迫は続くが、軍事的な衝突はないとみている。ただ、習政権の南シナ海における国家戦略方案は今後も実行されると情報筋はいう。
この国家戦略方案には、海軍戦闘力の拡大、南シナ海での人工島建設の継続、黄岩島の埋め立て、南沙諸島や新たに建設された人工島での観光業(ホテルや空港建設)の発展、人工島への「移住計画」実行などが含まれているという。
(翻訳編集・張哲)