日中の受注合戦
米高速鉄道 日本を破り中国企業が初受注も、米側が白紙撤回
米鉄道会社エクスプレス・ウエストはこのほど、中国の大型国営企業の中国鉄路総公司と交わした、ロサンゼルス-ラスベガス間の高速鉄道の建設について、合弁を解消することを発表した。
合弁解消の理由について、エクスプレス・ウエストは中国鉄路総公司の計画が遅れていること、米政府の関連規定により同中国企業が米国内で必要な諸許可を得るのが難しいことを挙げた。また米政府によると、高速列車の車体は米国内で生産することを定めているが、実現が困難だという。
中国国営新華社通信は、中国鉄路総公司の匿名幹部の見解として、双方が協議を進めている最中にエクスプレス・ウエストがこの発表をしたのは「無責任だ」と批判した。
建設を予定しているのはロサンゼルスとラスベガスを結ぶ約370キロメートルの路線で、今年9月に着工する予定だった。JR東海も同路線の受注を目指していたが、遥かに低コストの案を示した中国側に敗れた。
中国はここ数年、世界各地で高速鉄道の売り込みに躍起で、日本と受注合戦を繰り広げている。今回、白紙撤回となったのは米国で獲得した初の受注で、昨年9月習近平国家主席の訪米直前に合意を交わした当時、中国関連当局は「米中経済協力分野における三大主要成果の一つ」と評価するなど中国高速鉄道の米国進出に強い自信をみせていた。一方、メキシコやタイ、インドネシアなどでのプロジェクトも白紙に戻したり、契約の大幅見直しなどで挫折している。
エクスプレス・ウエストのトニー・マーネルCEOは、10年近く温めてきた同計画を白紙にすることなく、今後は他の提携先を探ると述べた。
(翻訳編集・叶子)
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