千駄カ谷のサロンで(撮影:鶴田/大紀元)
千駄カ谷のサロンで(撮影:鶴田/大紀元)

【本音を生きる】パッションジャパン(株)代表取締役 杉浦達雄さん(下)心の時代へ

—とても清楚な、落ち着いたサロンですね。

ありがとうございます。これまで、いろいろな人が相談に来ました。やりたいこととやっていることの違いを指摘し「この余計な枝は何なの?」みたいな問いかけをしました。

 勝者の時代から和の時代へ

現在のパッション・ジャパンは個人向けの寺子屋から企業向けへと新たな「脱皮」をはかっている。 

—企業に目を向けられた背景をご説明いただけますか?

現在、資本主義をリードするのは企業です。企業を一つの生命体とみなして元気にしていくことで、少しでも世の中を元気にさせていくという役割があるんじゃないかと思い始めました。

今は、変な個人主義が横行してしまい、会社にいる人のことを知らない。人とのつながりは求めているけれど、健全なやりかたを見失ってしまっているように感じます。

また、企業も価値観を打ち出しているかというとそうでもない。会社に依存している人もいて、どうなっているのかと首をかしげてしまいます。

現代は、これまでの勝者の時代から心の時代に向かう狭間にあると思います。

世界という視点からみると、戦って勝ち抜くこと自体が限界にきています。これからは「調和」していかなければならない。そのなかで日本が果たせる役割は大きいと思います。

—日本人特有の和の精神に着眼されたのですね。

はい。日本ならではの繊細なマナー、カスタマー・サティスファクション(CS)という形で現れるお客様へのご奉仕の部分が面白いと感じたのです。

本を読んだり、言葉を聞いたりすることでなく、実際に「心」を 体感していただけると。

—どのような形で企業を変革されているのですか?

「研修」という名目で、ファシリテーション、コーチングのようなものをやっていくことを通して、人間の体をドクターが治療するように、私たちは企業を治癒していきます。

「やります」と言っても、ほとんどの人は実行しません。ですからその習慣を矯正していく必要があります。生き方の癖を変えるトレーニングのようなものです。なぜ自分がそういう生き方を選んでいるのかに深いところで気づかせる。

「あ、俺が悪かったんだ」と本当に思う経営者はめったにいません。だから、幹部やマネージャー陣をしっかりとつなげていきます。 元気でないところに血を通わせて、従業員が生き生きと過ごせる会社作りを目指しています。

—企業変革にあたってのご自身の姿勢のようなものをお聞かせいただけますか?

仏教用語に「感応道交」(かんのうどうこう)ということばがあります。教えるものと教えられるものの気持ちが通い合うという意味です。

目の前にあるすべては自分の投影です。自分自身を磨かない限り、企業はよくなりません。テクニックなど方法論でよくするのではなく、人そのものでよくしていく。他者とリンクする部分を作り「調和」という世界を作っていくことが大切かと思います。

ただ単に楽しいのではなく厳しさも必要です。心の本当の豊かさが世界に必要とされてきているなかで、こんな生き方もあるんだ、これっていいなという人が増えてくると、世界が変わり、元気になるんじゃないか。こう考えると人生が面白くなってくるのではないでしょうか。

記者ノート: ご自分の歩まれている人生について、誠実に一言一言を噛みしめながら語っていただいた。 「自分を磨いていかなければ」と謙虚に物事をとらえる姿勢が印象的だった。

(文:鶴田ゆかり)

 

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