中国、一人っ子政策廃止

29日に閉幕した中国共産党の重要会議、第18期中央委員会第5回総会(5中総会)で、「すべての夫婦が2人まで出産できる」と一人っ子政策を廃止することが決まった。深刻な少子化・高齢化問題、労働力減少に対応するためとみられる。

1979年に始動した一人っ子政策。強制的な中絶、避妊、不妊措置が導入され、違反者は行政処分や罰金を受けるなど、長年、国内外で強く批判されてきた。政策による諸々のマイナスの影響がより顕著になっていた。

まず、少子高齢化が急ピッチに進んでいる。2010年当時の14歳以下の人口は16.6%で、人口統計学の「重度少子化」の基準15~18%に達した。一方、世界保健機関(WHO)によると、2050年に60歳以上が全人口の35%を占める超高齢化社会になると予測されている。それにより、労働力人口が2012年から減少に転じ、「世界の工場」としての労働力資源の優位性が失われつつある。

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中国北京市では4日、当局の諮問機関にあたる中国人民政治協商会議(政協)が開幕された。中国メディアによると、政協の男性委員は会議で、少子化の対策として30歳以上の未婚女性の出産を認めることを提案した。
中国国家統計局は17日、2021年の全国出生数は1062万人で、5年連続の減少と発表した。また、昨年の出生率(人口1000人当たりの出生数を示す比率)は7.52人と1949年の共産党政権樹立以来の最低水準を記録した。
近年、中国の少子化問題は深刻になる一方のようだ。地方政府はこのほど、子育ての負担を軽減するとして優遇融資策を相次ぎ打ち出した。中国では初の試みとみられる。
中国は日本よりもはるかに深刻な少子化に直面している。中国共産党政権は7月20日、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認める方針を打ち出したのに続き、出産を奨励するさまざまな政策を導入する文書を正式に発表した。中国共産党(中共)は、急速に進む少子高齢化による経済成長鈍化などへの危機感を抱き、産児制限を緩和する方針だ。