美味しい野菜シリーズ

蓮根

お正月のおせち料理の野菜と云えば蓮根です。蓮根はその穴から「先が見える」と云われ、縁起の良い食べ物とされてきました。また、穴が蜂の巣に似ている事から「はちす」とも呼ばれ、それが訛って「はす」と呼ばれるようになりました。

原産は中国ですが、一説にはインドとも言われています。日本には奈良時代に仏教と共に伝えられました。奈良時代に定着した在来種と、明治になって中国から伝えられた中国種とが有り、現在の主流は中国種です。在来種は細長く、食感はほっくりとしてモチモチ感があります。主流の中国種は節が丸く、サクサクとした歯切れの良い食感です。在来種には加賀蓮根、大口蓮根等があり、北陸地方で多く栽培されています。一方、茨城や徳島では主流の中国種が多く栽培されています。

煮物にはモチモチ感の有る在来種、酢ばすにはサクサクとした食感の中国種が良い様です。在来種は泥付きを、中国種は節がふっくらと丸い物を選びましょう。

長い歴史のある縁起の良い野菜「蓮根」を、お正月には是非おせち料理として食べて戴きたいと思います。

(杉本青果店代表 杉本晃章)