中国版QE 紙幣増刷の口実か 「サブプライム危機と同じだ」と危惧の声
中国人民銀行(中央銀行)は10月10日、「貸付担保再融資制度」(信用貸付資産の再担保制度)の試験的実施エリアを、これまで実施してきた山東省、広東省の2省から、さらに上海市、天津市、北京市、重慶市、遼寧省、江蘇省、湖北省、四川省、陜西省、の4の直轄市と5の省を追加し、拡大すると発表した。市場関係者は、この措置は約7兆元(約131兆円)の流動性拡大につながり、中国版の量的緩和(QE)とみている。
「貸付担保再融資制度」とは、商業銀行が貸出資産を担保に人民銀行から資金を借り入れることができるもの。例えば、A商業銀行がB企業(あるいはB地方政府)に100万元を貸し出した場合、B企業への貸出が人民銀行の制定した資産審査規定に合えば、A商業銀行がB企業との間の貸借契約書を担保に、人民銀行から莫大な資金を借り入れることができる。
15日付国内紙・新京報によると、人民銀行研究局の馬駿・チーフエコノミストは「貸付担保再融資制度の試験的実施エリアの拡大は、流動性の総量に大きな影響を与えるものではない」と主張し、中国版QEであることを否定した。同行が、この制度の実施拡大で7兆元が供給されると明かしたのは初めて。
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